これでもドクタケ忍者隊忍び組頭-第二弾-

人気のない村 ページ42

食満留三郎side




町は外れの村で起きた悲惨な出来事の話題で持ち切りだ

もちろん忍術学園にも話は広まっている








町外れの村で謎の肺炎がたった一日で村中に広がり、多くの死者が出た





その村は、あいつ…中奈衣出代がいる村だ

伊作経由で詳しい話を聞いた俺は急いで村へ駆けつけた











食「…ｯ!!これは…一体」




村に到着したが、以前のような光景ではなかった

賑やかで畑仕事をする人達の声や笑い声も

人気も無い

ただ静寂と異臭が漂い

不気味そのものだった




食「おーい！誰かいないのかー！！」


大声をあげるも辺りはシーンと静寂のまま

物音もしなかった



村の中に足を進め、俺はあいつを探した



食「おーい！衣出代ー！！！いないのか！？居たら返事をしろー！！！」



いくら叫んでも返事がない

診療所について中を探してみるがどこにも居ない



食「一体どこに居るんだ…」


まさか、あいつも謎の肺炎に…

…いや、そんなわけない

あいつは医者だ

きっとこの村のどこかにいる



俺は村の中心あたりまで足を進めた

不気味な静けさが俺を嫌な気分にさせる

冷や汗が止まらない

物音を聞き逃さないよう、静かに足を進めると


ザザザっと音が聞こえた


音が聞こえた方へ進み、物陰に隠れながら顔を覗かせると




業者「よっこいせっ！とぉ〜…」



全身黒の服を着た男が人を荷車に乗せていた

男の周りにはたくさんの人が横たわっていた

その中には見知った顔の人もいた



食「ｯ!建築を手伝ってくれたおじいさんに…布団屋のおじさん…！」



遠くからでよく分からないが、誰一人として微塵も動かない

きっともう……生きていないんだと察知する


て事は、あの男は一体なんだ？

死体を埋める人なのか？

観察しているとふと後ろから気配を感じた







食「ｯ!誰だ！！」





苦無を構え振り返ると





食「ｯ!お前…！」







俺は思わずそいつに抱きついた






食「良かった…生きてたんだな！」


『食満さん！？どうしてここに…？』


食「噂が町に広まっててな、急いで駆けつけたんだ、無事か？」


『はい…私は大丈夫です…でも』




中奈が辛そうに口を開いた



『村の多くの方が…なくなってしまいました………私…医者なのにｯ!』



そして目から涙が流れた



『私医者なのにｯ!…みんなに元気に生きて欲しくて来たのにｯ!…なにも…なにも出来なくてｯ!ｸﾞｽｯ』



中奈は悲痛な顔をして泣き叫んだ

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