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ページ17

それから五日間、爺さんの熱は続いた

一週間目に突入しようとした時、爺さんの熱が一気に引いてきた

タヒまであと少し

その確実を実感した時は口角が耳まで届くんじゃないかくらいに上がった



おじいさんの熱が引いたと若者に知らせ、若者は心から安心したような笑顔をした

何度も感謝を述べられたが、これからその笑顔が壊されると思うと堪らない




おじいさんが家に帰ってからは忙しい日々を送った

頭が痛いだの、転んで膝を擦りむいただの、またある時はただの風邪なのになんかの病気だって言ってくるやつだっていた

おかげでこっちは疲労困憊

人間ってこんなにもめんどくさいんですな〜


そしてあの爺さんが退院してから、二週間経とうとした頃だった



村人3「中奈さん!じいちゃんが息してないんだ!!」


来た

この時がやっと来たんだ

ずっと待ちわびていたこの時が__!!!


『急いで中へ!!』


手首に指を当て確認、次に心臓に耳を当て、心臓マッサージをする

意外に心臓マッサージは体力と力が居るから、数刻すればもう汗べっしょり

額にくっつく髪の毛を邪魔に思いながら、懸命にやっているフリをする


一時間近くやっただろうか

爺さんの鼓動は鳴らなかった

タヒんだ

確実にタヒんだ

俺氏が行動をやめたのを見て若者は話しかけてきた


村人3「中奈さん?終わったのか?じいちゃんは…」


若者の方に体を向け


『……申し訳ございません』


と深く土下座をした



村人3「そんな…じいちゃん!じいちゃん!!!」


若者は爺さんの体を強く揺さぶった

そして目からは大量の涙


悲しい光景だけど、俺氏は今にも笑いそうで堪えていた

その光景をじーっと眺めていた時、頬に何かが伝う感覚がした

手で拭うと透明な液

舐めると塩の味

間違いなく涙だった

これはもう天才すぎるでしょ

自分の才能に感激した

けど、

このどこかチクチクしている感覚はなに?

それにどこか重い感覚がする

これ一体何?


村人3「じいちゃん!!!」


若者の大きな声で我に返った

俺氏は何故かその光景に目を向けれなくなっていた

これは今にも笑いそうなのを隠すために体が勝手にしているんだ

きっとそうだ

あぁ、やっぱ俺氏は最高かもしれない

内心で笑っている自分と真反対に目からこぼれるものを無視した

・→←時は来た



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ずんだ餅 - 良き、更新待機( ´・∀・`) (2023年2月22日 0時) (レス) @page33 id: 12d02573a8 (このIDを非表示/違反報告)
悪紫 - 夢主くんの口調と、性格が大好きです!!更新頑張って下さい! (2022年7月22日 21時) (レス) @page30 id: df4dd4aa9e (このIDを非表示/違反報告)
リング(プロフ) - にぃさん» コメントありがとうございます(*ˊ꒳ˋ*)、気に入ってくださって本当に嬉しいです!ありがとうございます!(´;ω;`)お気遣いありがとうございます、自分のペースで更新頑張ります! (2022年3月23日 6時) (レス) id: 4477b9e623 (このIDを非表示/違反報告)
にぃ - めちゃくちゃ好みです!尊い作品を生み出した作者様に感謝!これからもご無理なさらないで更新頑張って欲しいです! (2022年3月22日 22時) (レス) id: ee3ee8857e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リング | 作成日時:2022年3月13日 20時

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