どっちなの?- 番外1 ページ46
- Minho side
今日はAと2人でカラオケに来ていた。
俺の耳が聞こえるようになって、きちんと話せるようになってからAが「もっと歌声が聞きたい」というものだから来てみた。
「たっくさんミノの歌声が聞ける!嬉しいなぁ〜」
少し、嫉妬してしまう。
好きなのは俺の声だけ?
なーんてな。女々しい考えは止め。
「何歌って欲しい?」
「えー…じゃあ、これは?」
「洋楽かよ…まぁ歌ってみる」
それは1990年代のダンスナンバー。かなり早いテンポで曲が流れるから、英語がまともに言えないと歌える歌じゃない。
どちらかというとラップが得意な俺は滑舌には少し自信があったんだ。
重低音なイントロが流れ出し、だんだんと調子を上げていくドラムの音から曲はスタートした。
歌っている時にちら、と見たAはノっていて楽しそうだった。そんな姿をさせているのは自分なのだと思うと優越感というか。
いろんな感情が渦巻いている。
曲を終えると
「いや〜やっぱりミノの低い声、大好き。
聞いてて飽きないし…」
ちょっと悪戯心が沸いた。
「ねぇ、A」
「ん?」
「好きなのは俺の声だけ?」
「…へ?」
間抜けな声が上がる。そんなの気にしないで俺は続けた。
「俺自身は?」
「え、ちょっと、ミノ」
「どうなの?」
肩を組み顔を近づけられるだけ近づけた。至近距離でAと目が合う。それだけで何だか照れた。けどやり始めた手前、途中でやめる訳にはいかない。
俺は最後のカマかけにでた。
「ねぇ、A」
カラオケの暗い部屋の照明の中でも分かるくらいに顔が赤くなってる。
ちょっと、やりすぎたかな…
そう反省して謝ろうとしたそのとき、
「〜…っもう!!」
引き寄せられる俺の顔。
何が起きたのか、きちんと把握したときには
Aが俺にキスをしていた。
少し驚いてしまったけど、そのままAの後頭部に手を添え、こちらからも応えた。
胸を叩かれたので顔を離すとじっとこちらを見つめてくるA。
「…ごめんね?」
「好きじゃなかったら…」
「え?」
「…こんなことしないから」
そういうと恥ずかしそうに目線をそらすAをぎゅっと抱きしめながら
俺って幸せ者だな
と自覚すると共に
絶対にこの愛おしい存在を離さない
そう決意した1日だった。
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ゆんく(プロフ) - 最高です!!更新頑張ってください!応援しています! (2017年4月15日 23時) (レス) id: 66ed5bea11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カリナ | 作成日時:2017年4月7日 1時