プライド 成田side. ページ26
田中の声を遮って前へ飛んだ。
影山は、俺の、珍しく鋭い声に
引かれるようにトスをする。
急なことだったはずなのに、ドンピシャだ。
そのまま下へ打ち落とした。
成「お前らにだけいい顔させられるかってんだよ。俺だってスタメンだべ?」
俺は、涙ぼくろが魅力的な彼のように、
ニカッと笑った。
俺は、昔から弱虫だった。
縁下みたいなみんなをまとめる力もない。
田中みたいなパワーや、
西谷みたいな才能もなくて。
仲間と、練習から逃げた。
でも、その時一緒に逃げた縁下は、
いまや頼れる主将だ。
じゃあ俺だってって。
頑張れるんじゃないかって。
少しくらい、自惚れてもいいだろう?
日「成田さん!い、いまのスッゲェ!!」
成「ははっ、そうか?ありがとな。」
月「成田さんナイスキー。」
キラキラと目を輝かせる日向。
俺はずっと、お前らのほうが
もっとスゲェと思ってるけどな。
日「『俺のボールだ』って、全身で言ってて、旭さんみたいでした!!」
田「な、成田お前、ときどき心臓に悪りぃことすんのやめろよ……。」
成「え???…ごめん?」
縁「安心しろ成田。お前が謝ることじゃない。」
縁下はそう言いながらも、
俺の頭を撫でてくる。
そのたびに、坊主の頭が
ジョリジョリと音を出す。
縁下、そういうとこだぞ。
最近ますます菅さんに似てきたよなぁ。
笛が鳴って、ピンサーが入ってくる。
いつもは山口なんだけど、今日は
成「木下、1本ナイッサー!」
木下「お前それいい加減やめてくれ。」
片足を上げていつものポーズをとると、
木下は恥ずかしそうに呟く。
縁下は笑いながら、手を後頭部に回す。
隣の日向も真似をする。
木下の方は、誰も見ない。
木下のジャンフロは、
1年リベロの足元に落ちる。
「「っしゃあー!」」
結「すみません!」
矢「ドンマイ!次、次!」
木下がコート外でボールを受け取る。
両手で持って、額にあてて、息をつく。
木下のサーブのときのルーティーンだ。
成「もう一本ナイッサー!」
木下が、再びジャンフロを打つ。
矢「結瀬!」
結「はいっ!」
今度はリベロがしっかり拾う。
上手いな、あの1年。
矢巾のトスは、……金田一。
月「止めます!!」
矢「ブロック1枚!」
金田一が、大きく振り切る。
***
なっっっが!一試合で何話使ってんだ俺!
あと何話かくらい続きます!
そして3年編飛ばしてブラジル(?)編!
126人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょこみんと(プロフ) - 北狐さん» ありがとうございます! (2021年1月11日 17時) (レス) id: bf2a4d63a6 (このIDを非表示/違反報告)
北狐 - 凄く面白かったです!及川さん、、、良いですね!!今更ですがとっても面白い作品に出会えて良かったです。お疲れ様でした! (2021年1月11日 16時) (レス) id: 5618ba980a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちょこみんと | 作成日時:2020年6月6日 7時