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へし切長谷部の記憶。3 ページ4

へし切長谷部side

それから、何百年と時を超え。


2205年、俺は今代の主の元に仕えた。


俺が来た時はまだ片手で数えられるくらいの刀剣しか居なかったが、年々増えてゆき、今では100振り近く主によって顕現された。


これだけたくさん来るなら、すぐにAも来るだろうと思ったが、全く来なかった。


主の鍛刀運が悪いのではない。時の政府からの実装の知らせが無かった。


宗三にも薬研にも不動にも博多にも厚にも小夜にも日本号にも、日光一文字にも会ったのに。


Aだけが来なかった。


俺がこの本丸に顕現されてから10年。


いくら待てど、Aは来なかった。


そんなある日の朝。


主「はぁぁぁせぇぇぇべぇぇぇ!!」


主の声が本丸中に響いた。


他の奴らはなんだなんだ?と言わんばかりに顔を覗かせ、歌仙は雅じゃない!と叫んだ。


「どうかされましたか?」


主「おまっ、兄弟刀居るのかよ!」


そう叫び、チラシを見せてきた。


そこには──


【時の政府からお知らせ。

この度、短刀・長谷部国重が実装されました。
レシピは短刀のレシピで顕現できます。
審神者の皆様はぜひ、お迎えを!】


という文と共に、Aのシルエットが写っていた。


あぁ、やっと…やっと会えるんだな。


俺は持っていた書類の束を落とし、鍛刀部屋へと走った。

寸延短刀。→←へし切長谷部の記憶。2



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作者名:ココ | 作成日時:2023年6月9日 18時

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