石の世界でアテナは生きるⅦ【Dr.STONE】 (ページ30)

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気球の仕組み Ⅰ ページ30

A「熱気球内の空気と外の空気の密度差で熱気球は浮いている。そして密度が小さい暖かい空気は軽く、密度が大きい冷たい空気は重い。

気球の風船、エンベロープというのだが。この中には元々外の空気と同じ温度の空気が入っているんだ。それをバスケット中央部のバーナーで少しずつ熱していく。

するとバーナーの近くにある空気が暖められて、密度が小さくなり軽くなるのでエンベロープ内で暖かい空気が上昇する。バーナーで暖められた空気の体積が大きくなることで、元からあった空気が外へ追い出される。

その結果、気球が浮く」

何人かがうなずくが、大半がわかっていない様子。しかしそれでも諦めずにスイカは言った。

スイカ「スイカにはイマイチ浮く、っていうのがよくわからないんだよ」

ふむ……。

A「水に沈むものと水に浮くものを考えた方がいいかもしれないな。水に浮くものは水よりも密度が小さく軽い。反対に水に沈むものは水より密度が大きく重い。

“浮く”というのは、重いものの上に軽いものが乗っかっているイメージだ。水に浮いているものは水の上に乗っかっている。それが水に浮くということだな」

スイカ「えーっと……、なんとなく、分かったんだよ」

ピンと来ていなかった人たちも腑に落ちたような顔をしており、なんとなーく分かってくれたらしい。

A「熱気球も同じイメージだ。バーナーで暖められた空気は外の空気よりも軽い。それにより暖められた空気よりも重い外の空気は暖かい空気の下に入り込もうとする。

そうすることで暖められた空気は軽いためどんどん上へと追いやられ、エンベロープ内で暖められた空気によって上へ行こうとする力が発生するわけだ」

ここまで説明すると「へぇ〜」という声が聞こえた。しかし、そこでまた新たな質問が。

ゲン「……もしかして、外の空気が冷たい方が気球って浮きやすかったりしちゃう？？」

A「あぁ。冷たい空気ほど暖められた空気の下に入り込みやすくなるから、より浮かびやすくなる」

再び「へぇ〜〜〜〜」となる空間。

話し終えると完全に夜が明けていた。気球出立を見届けるためにかなり早い時間に起きていたことを考えると、そろそろ朝食にしてもいいかもしれない。

さぁ、今日も一日が始まる。