突然死んだらあんスタ世界で赤ちゃんから人生やり直しらしい。

なれない土地 ページ30

今日は段々と涼しくなってきた夏の終わりに合わせて英智と買い物に来ています

英智「姉さんと2人で買い物なんて久しぶりじゃないかい？」

『確かにそうかもね？茨と3人では良くあったけどね』

英智「久しぶりのデート。楽しくなりそうだ」


子供みたいに嬉しそうな英智、
これは何か言った方がややこしくなるだろうからスルーでいいかなと思っていたその時だった


視界に綺麗な桜色が横切ったと思えば直後


ズザッと地面を滑る音が聞こえた


「っ……」


英智「おや……」



私より3歳程年下だろうかな……幼い男の子が硬いコンクリートの地面を転んで滑ってしまったのだ
着物を着ているため腕しか見えないけれど擦りむけて血が流れて痛々しい


菌が入らないうちに手当しなければ


『あの、大丈夫……？』


少年がバッと顔を上げてようやくここで顔が見えた

桜色の髪の少年の正体

桜河こはくくんだ

こはく「心配さしてしもうてすまへんな……わしの事は気にせんでええ」

少し眉を下げて無理に強がっているように見えた


着ている着物も解れて、下駄の鼻緒も切れてしまって、更にこんな血が滲んで痛がってる子をみすみす放って置くなんて出来ない




『気にしないで、で気にならなくなる訳じゃないですよ……手当するからあそこのベンチ座ってもらえる？』



ベンチを見つけ、すぐにこはくくんに安静にするように促す

こはくくんは躊躇いつつも本気で心配していることを察してくれたのか座ってくれた


英智「確か、英智くん救急ポーチがあったよね？」

思い出したように英智が言った

『そうだね今日も持って来ててよかった……』

英智くん救急ポーチ。それは英智のもしもの時のために傷薬や包帯、絆創膏、薬等が入っているポーチでありすぐに体調崩す英智にはお出かけ先に必須なポーチである

と、まぁそれらを使い早速手当を始める

こはく「っ……すまへんなぁ…」


『大丈夫？痛かったら手握ってても……って、弟がそうだったからつい……ごめんね？』


英智「あぁ、姉さんそんな昔の事覚えてくれていたんだね」


つい年下を見ると英智や茨のように接してしまう。
英智は同い年の双子だというのに不思議な事である

けれど遠慮がちにこはくくんは手を握ってくれるからやはり弟のように思えて仕方ない。

さぁ、あとは衣服を直して任務完了だ

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