ぶりっ子が頭を打ったら前世を思い出した。

踏み外し ページ24

トレイ「リドルにA。丁度いい所に」

リドル「トレイじゃないか。」


『ぁ、クローバー先輩♡どうかしましたかぁ？』




廊下を少しばかり歩くと昼休みにもあったばかりのクローバー先輩に声をかけられた



トレイ「今日のパーティーのお茶菓子は何がいいかリクエストがあればと思ってな」


『リクエストですかぁ？』



そう言えばそうだった

クローバー先輩には以前からお世話になっていて、その度にスイーツをもらっていた



最近はユウさんとの噂のせいで生徒間でギスギスとし合って、パーティー所ではなかったけれど
リドルとのお茶会の時に出されるクローバー先輩のお手製スイーツは毎回楽しみだった



一番最初、1年生の時に出会った時にもらった、マスカットのタルトが懐かしい。

女だからと馬鹿にされて疲れ果てていた私の舌に優しく広がる甘い味……

あれから好物はマスカットのタルトになったんだっけ





『めぃゎくじゃなければ……マスカットのタルトが食べたぃです…！』

トレイ「Aは本当に俺のマスカットタルトが好きだな。わかった」


リドル「…トレイ、何故ボクに彼女の好物を教えてくれなかったんだい」


トレイ「リドルは本当にAが大好きなんだな」


リドル「トレイ！」



……なんだか話に着いていけないけど

楽しそうで

噂が広まる前のハーツラビュルみたいで嬉しいな



いつか学園の人全員に分かってもらって
それでこんな風にまた笑えたら


そう理想を思い描きながら階段に丁度差し掛かった時だった



リドル「っ！？」



『！？リドル！』



トレイ「A！リドル！」




リドルがふっと、まるで自分から落ちるように階段を踏み外した




私はそれを庇って





リドル「…！A！A！」




階段から落ちたのである









--------ｷﾘﾄﾘ線--------

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