白と黒と、【男主】【刀剣乱舞】 (ページ19)

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陽岬･過去編11 ページ19

あの後、歌仙たちに呼ばれて、最後のお昼を食べた

表情がどうしても暗くなってしまうが、みんなはそれは疲れてるからだと思っているらしい

それが、嬉しいような、悲しいような

その後、今まで使ってきたこの本丸を散歩することにした

無駄に長い廊下

綺麗な庭

じじい達がお茶をしている縁側

厨に、広間、一応厠も

最後はやっぱり、審神者部屋に向かっていた

特に意識したわけではなかった

いつの間にかここにいたという感じだった

いつも使っていた机や、万年筆を撫でる

よく考えれば、この部屋でほとんど過ごしていた気がする

もちろん、広間や、庭、縁側はお気に入りだった

言葉で表す事は難しいけど、

この部屋、審神者部屋は特別なものだった

陽岬「……あ、」

気づいたらもう日が傾き始めていた

綺麗な夕焼け

まるで時が止まったかのように

陽岬はそれをじっと見つめていた

そろそろ夕餉の時間だ

本当にさようならになる

何も言わないまま、一人で行くんだ

陽岬「決めたから」

自分の大切な刀剣男士(かぞく)を守るって

さぁ、夕餉に……

ｽｯと障子があく

三日月「なぁ、主……？何を決めたのだ？」

あぁ、1番聞かれちゃいけないやつに聞かれてしまった

陽岬「？！？三日月！？！

ちょっと！いたなら言ってよ～

あ、今度こそ、3キロ痩せるの！！」

そういい誤魔化すが、三日月は目を細める

三日月「……嘘…だな」

陽岬「え？」

袖で口元を隠しながら三日月は綺麗に微笑む

三日月「……俺たちは弱くないぞ」

陽岬「う、うん？」

そんなのもうとうの昔に知っている

三日月はふっと笑うと

三日月「……ふむ、そろそろ夕餉だ広間へ行こう今日は

"何故か"

ご馳走らしいからな」

そういい、三日月は広間へ行ってしまった

あれ？思いの外あっさり……？

陽岬(いったいなんだったの？？)

とりあえず広間へ向かう

そういえば私が最後だからと思い、宴にしようと言ってあった

燭台切は、なんのための？という顔をしていたが、あまり深くは聞いてこなかった

広間に入るともう既にみんな集まっていた

私が最後だったらしい

陽岬「うわ、ごめん！ごめん！！」

そういい席につく

陽岬「じゃぁ、手を合わせてー！いただきます！！」

全振り『いただきます！！』

みんなガツガツと食べ始める

いつもよりも豪勢な献立に、少し驚いているようだった