第12話 ページ14
天光丸side
体がいつも以上に軽い
ちらりと腕を見るが、
痣や赤い花等は消えないようだった
天光丸「……チッ」
……早く消えてしまえばいいのに
こんなものがなければ……
……
……自分が酷く汚く見える
眉間にシワがより目付きが悪くなる
それを見て童子切が、シワをグリグリと押して
童子切「あまりしわ寄せちゃダメだよ?」
そう笑いながら言う
天光丸は、それを聞いていたのか、よく分からないが、唐突に思う。
天光丸(……体を洗いたい)
そう、ここは、童子切の部屋である。
童子切と同じ部屋で生活してくれ〜!と翔唯に言われ、
童子切着いて行ったはいいものの
そこから何をすればいのか天光丸には分からなかった。
天光丸(とりあえず、聞いてみるか…)
天光丸「おい」
童子切「!?な、なん!?どうした!?」
そんなに驚くことなのだろうか
おれはびっくりジジイでは無いぞ
そう心の中で呟く
天光丸「体を洗いたい。どこへ行けばいい」
童子切「……あ、あぁ、お風呂だね?よし、一緒に行こう!案内するよ」
風呂に行くついでに厠や厨などの場所も教えて貰った……が
天光丸(……広い…)
天光丸は覚えられるか心配していた
童子切「広いだろう?俺もここに来た時は沢山迷ったものだ……」
そうはなりたくないと天光丸は思った
童子切「……ついた。ここだよ」
天光丸「案内、感謝する」
ペコリと頭を下げ風呂へ入っていく
……
そんな天光丸を見て、
童子切「そんなに堅苦しくなくてもいいんだがなぁ…」
……そのつぶやきが天光丸に届くことはなかった
……
ガラガラ
天光丸は周りを見渡す
誰もいないようだった
それが確認できると、ふぅ…と息を吐く
天光丸(良かった……)
この体を見られたくないのだ
それに、この体を見たいと思うやつはいないと思う。
鏡に映る自分。
それと見つめ合う
天光丸「……」
なんて醜いのだろうか……
目には光が入っていない
表情もない
やはり、体に赤い花はや青あざ等が残ったままだ
ふっと自傷気味に笑い
鏡に触れる
いっそのこと
天光丸「……消えてしまえば」
楽なのかもしれない…
そう思ってしまうのは仕方がなかった
その後、しっかりと体を洗い
久しぶりに湯船に浸かる
すごい暖かくて、眠くなる
……ガラガラガラ
風呂のドアがあく
天光丸「……!?!!」
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作成日時:2019年9月22日 0時