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三味違う、惨 ページ11

ふむ、ふむ?

「と、云う名目で誰も追い掛けない」

んん?

「数時間も経てば少年も可笑しいと思うでしょ?」

「でも、鬼遊戯(ごっこ)規定(ルール)じゃ、鬼に捕まる迄逃げ続けなくちゃいけない」


・・・


「だから、うーん。そうだな。二週間位めげずに帰ってこなかったら合格!私達が二週間目あたりに探し始める」



思いの外、精神を病み精神的外傷(トラウマ)になりそうな内容であり、一同ぽかんとAを見た。



「これなら、忍耐と精神、あと規定がしっかり守れる人間ってわかるでしょ、ね!」


ね。と云われても・・・。

かなり素っ頓狂な内容であった。
流石に二週間の放置は同情をしえない状況に成ってしまう。

だから、誰もがこれはどうするのだ。と刺すような視線を太宰に向けて。


「、ええ、と」

取り敢えず太宰は自分のすべき事を考え、白板に『鬼遊戯』と書き加えた。


さて、案は増えたがそれだけで会議は全く進んでいない。

それに痺れを切らした様に国木田が口を開いた

「おい太宰。そろそろ如何にかしろ。未成年もいるのだから、いい加減進めろ」
「ええ、でもまだ面子が揃ってないからなあ」

太宰は頭を掻いた

「乱歩さんがまだ来てないでしょう。全員が揃っていないなら、決められないよ。こんな夜遅くまで一体どこで何してるんだろうねえ。難事件が長引いているのかな」

「あら」
「ええ」

ナオミが頬に手を置いて、Aが頬杖付いて云った。


「乱歩さんなら駄菓子のオマケの、砂糖菓子の型抜きを熱心にされてましたけど」

「あはは、私と一緒に帰ってきたしね」


流石乱歩さん、動じないねえ。と太宰が云った。

江戸川乱歩__探偵社随一の頭脳をもつ、探偵の中の探偵。天衣無縫、天真爛漫な性格を持つ、26歳の武装探偵社の大黒柱である。



「ちょっと私、呼んで来ますわ」
そう云ってナオミは小走りに会議室を去った。

ナオミの背中を見送って太宰は云った

「乱歩さんの手に掛かれば何でもばっちり確定だよ」

「確かにそうだが、乱歩さんの手を煩わせるほどのことか?」
国木田が不本意そうに云った

「確かにそうだけど、江戸川が手を煩わせてくれるかな?」
Aが半笑いで云った


そのどちらにも全員が嗚呼、と云いかけた。

三味違う、肆→←三味違う、弍



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作者名:きゅういち | 作成日時:2019年1月19日 16時

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