敬語系実況者【最終兵器俺達】

◇ ページ38

・





両手に袋を下げて帰ってきたA。着替えてくると言って、奥の方へと行った直後、新しく客が入ってきた。昼休み、Aを散々言っていた奴らだ。





「こんな所にこんな店あったんだ、知らなかったわ」


「雰囲気は良いよね」





うわぁ、マジで帰ってくんねぇかな。なんかムカつく。そんなことを思ってたら、Aが奥から出てきて、店の制服に着替えていた。ズボンを履いてるので、マジでイケメン、カッコイイわ。




「いらっしゃいませ、3名様でよろしいでしょうか」



「えっ、あれ、君ってうちの学校の1年だよね？」



「そうですけど。こちらへどうぞ」




クスクスと笑ってる、その様子を見て詠さんがピンと来たのだろう。フジにあの3人かと聞いていた。





「ご注文がお決まりになりましたら、お呼び下さい」





Aが厨房の方へと歩こうとした時。





「マジで性格悪そうな顔(笑)」



「接客業向いてねぇわ」





俺とフジが聞いていてキレそうになった。だけど、止めたのは他でもない詠さんだ。その直後、Aの声が聞こえてくる。





「お客様、何かお客様に対して至らない点がありましたでしょうか？」


「えっ？」


「接客業に向いていない、と仰られていたので、もしかして私がお客様に対して至らない点があったのではないかと心配になってしまって」


「いや、別に……」




1人は何か危機を察知したのか、黙り始めていたがこういう時よくいるのが馬鹿なKY。




「なになに、何キレてんの(笑)」



「いえ、何もキレてなどいません。至らない点があるのであれば、私の責任でございます。申し訳ございませんが、直接言っていただけたらありがたいです」



「何だよ、しつけーな」



「それとも……何か私個人に文句があるのであれば、承りますが……どうでしょうか？」




マスクをしていてもニコリと笑ってるのがわかるけど、目がマジで怖い。





3人はそそくさと帰っていった。その日以降あの3人からAの文句を聞いたことが無い。





・




【現代】



ｷﾖ「Aってさ、あんまり怒らないよね」



「怒る……あまりないですね(笑)」



ｷﾖ「冷静に怒るよな怒る時」



「そうですかね(笑)」





なんて2人で笑いあってて、いい事を思いついた。そうだ、Aと他のメンバーにドッキリ仕掛けよう。

Twitter@まふまふ→←14.知っているからこそ

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す