帰り道 ページ2
静かな夜の帰り道。黒が空を覆う中、私はポツポツとある街灯の灯りの下を進んでいた。
家に帰るのすら仕事疲れの体だと億劫になる。終電で帰れただけまだマシだが。
(それにしても、今日でもう一週間か)
私がここに引っ越して来て早一週間。仕事の都合で移動を命じられてここに来たが、もう大分新しい環境にも慣れてきた。
近所の人の事は顔と名前ぐらいしか知らないが、現代の近所付き合いとなればこんなものだろう。少なくとも私にはそれぐらいで十分だ。
トボトボと帰り道を進んで行く。自分の足音がやけに重く鼓膜に響いた。
速くご飯が食べたい、速くお風呂に入りたい…終わらない欲の合唱をレクイエムに変えるため、速歩きに切り替える。
ふとその時、ゴミ捨て場が見えた。
私の家までは、ゴミ捨て場のある角を曲がればすぐに辿り着ける。
そう思いゴミ捨て場まである程度の距離行った時だった。よく見ると、人影がある。
「…が一つ…か？でも…」
何かブツブツ言いながらその人影は、どうやらゴミ捨て場を漁っているようだった。
辺りには生ゴミの匂いが立ち込めており、実際人影の周りにもゴミらしき欠片が散らかされていた。まずその推測は間違いない。
あそこからでないと、ここからは帰れないというのに。いやまず警察に通報するべきか？
明らかな不審者だが、こっちには気付いていないようだ。今なら別の道から行けるかもしれない。
そう思い立ち去ろうとしたところ、私は人影に見覚えがある事に気付く。
(あの人…私の隣の人だ！)
私の隣人。
最近日本に越してきたという外国人の方だ。
かなり日本語が流暢だったので、記憶に残っている。第一印象はイケメンだなというだけだったが、まさかこんな事をしているとは。
あれ、そういえば名前は…
色々と考えていると、彼が振り向く。
ヤバい。
彼の蒼い瞳と目が合う。
その瞬間、
彼はニヤリと笑って、こちらへ来た。
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名も無き者(プロフ) - そう言って頂き嬉しいです…！イベント参加させて下さりありがとうございました！ (3月7日 6時) (
レス) id: b52add099d (このIDを非表示/違反報告)
あめ(プロフ) - この度はイベントへの参加ありがとうございました！(連投申し訳ございません) (3月7日 0時) (レス) id: 82abefb882 (このIDを非表示/違反報告)
あめ(プロフ) - コメント失礼します〜！題名的にギャグ系かと思いましたが、想像より遥かに真剣なお話で良い意味で期待を裏切られました…！描写も細かく、もっと有名になるべき作品だと感じました！これからもお時間あるときにでも閲覧させていただきます！ (3月7日 0時) (レス) id: 82abefb882 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名も無き者 | 作成日時：2024年3月6日 17時
