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12:50 …─
まふくんから[ 着いたよ ]の連絡を見てマンションの下に降りると、そこにはなんと黒塗りのベンツが止まっていて。
その隣には大きな赤い薔薇の花束を抱えた彼が立っていた。
急いで駆け寄って「これどうしたの?!」と聞いたものの、それに対しての返答は無く、
「A、お誕生日おめでとう!」
って、花束を渡された。
「え…あ、ありがとうっ、」
「やっぱりそのワンピース似合ってるね。可愛い。
じゃあ、行こっか」
思ってもみなかったあまりに凄いおもてなしに圧倒され、あらよあらよと彼のペースに呑まれる。
まふくんって車運転出来たっけ?!
っていうか、昨日急に決まったデートなのにこんな用意出来るの凄くない?!
軽くパニックになりながらも車に乗り込むと中には運転手さんが居て、「今日はね〜、完璧な1日にしたかったから俺頑張っちゃった」なんてはにかむ彼に胸きゅんと、少しの納得をした。
「今日は…何処行くの?」
「んー、色々考えたんだけどね。やっぱり人目に付く処はマズイかなと思って。ホテルで2人っきりでお祝いしたいなぁって。
もしかして、どっか行きたい処あった?」
「ううん、大丈夫、」
ホテル…まぁ、妥当な判断だと思った。
一応、ってか、紛れもなく私達って浮気の関係な訳だし。
まふくんも有名人だし。
それにきっと、彼が言ってる ホテル っていうのは間違いなくラブホテルでもビジネスホテルでもなくって。
ちゃんとした、処だと思うし、ね?
まぁ…もう既にここまでして貰ってる訳だし、とりあえず今日1日の全ては彼に身を任せる事にしよう。
「ホテル着いたら、何しよっか?
折角だからお昼からお酒でも飲んじゃう?」
「うん、いいね。それ。
でもまふくん酔っ払っちゃうんじゃない?
強くないでしょ?」
「大丈夫だよ。Aの前でならずっとかっこよく居れるし、完璧で居たいから」
「ふふ。何それ」
会話をしながら、自然に重なる手。絡まる指。
その人肌に程よく高鳴る心音。
それ が、心地よく感じる瞬間 ─。
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なの(プロフ) - 本当に本当にありがとうございます。感謝しかないです…こんなに素敵な誕生日は初めてです…ホントはもっと早く送りたかったけどずっとチキってました。すみません…みんな大好き!! (2021年11月14日 1時) (レス) id: d994763904 (このIDを非表示/違反報告)
らむちゃ - すごい好きです(((*≧艸≦)ありがとうございます! (2021年10月13日 20時) (レス) id: def79cd7ab (このIDを非表示/違反報告)
りょくちゃ(プロフ) - 大好きな作者さまたちの最高の作品でした。本当にありがとうございました。 (2021年10月4日 17時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
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