【まふまふ】白くて黒い【そらる】 (ページ5)

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Coffee 5 ページ5

『……意味分かんない』

「そんな不機嫌そうな顔しないでよ～、ごめんね？ボクちょっとこの子と話あるから先行ってて！」

可愛らしい笑顔で彼がそう言うとお友達がニヤニヤしながら去っていって、楽しそうにまふくんも手を振る。

なんなんだこの人。本気で頭おかしいんじゃないだろうか。

「そーんなぶすっとしないのー」

『誰のせいだと……！！！』

「しーっ、しーっ！そらるさんにバレるよ？」

『……はぁ』

巨体がわたわたと目の前で動いて普通に可愛いのがムカつく。

本当に性格が気に食わない。そらるさんはもっと優しいし、もっと声低くて大人っぽいし。

ていうかそらるさんの方がかっこいいし。

『付き合ってることにするのは、やだ、』

「えーわがままだなぁ」

『だ、だって！もしそらるさんにバレたら……』

「フリでも付き合ってくれないならそらるさんにバラす」

『……』

「ね？僕はそれで満足するしAちゃんも文句ないでしょ？」

俯く私の顔を下から覗き込む彼。

無駄に整った顔と吸い込まれそうなキラキラとしたその瞳は私にノーという選択肢を与えてくれない。

『……本当に、言わないんだよね』

「当たり前！……まぁ、あんまり僕に逆らうようなら別だけど、ね？」

『……』

嗚呼、そらるさん、ごめんなさい。

先生には、そらるさんには、裏切り行為なんてしたくないのに。

『分かっ、た……』

「ん、いい子」

頭の撫で方は、そらるさんとどこか似ている。

意地悪く微笑むその姿も、どことなく似ている。

そらるさんと比べないと、そらるさんがいないと、私はだめなんだ。

そらるさんを失わないために、付き合うフリをするだけなんだ。