【まふまふ】白くて黒い【そらる】

Coffee 19 ページ19

食堂で抱き合う男女がふたり。

周りの人がちょっと恥ずかしそうに私たちを見る。


ああ、そらるさんと付き合ってること公言していないで良かった。


みんな知ってたらこんな状況すぐ本人に知れ渡っちゃうもんね。





「Aちゃん、」



『……まふくん』



「すきだよ、すき、誰よりも好き」



『んん、……恥ずかしい』



「もう恥ずかしいことはいっぱいしたけどね？」



『ばか』





そらるさんよりも、ちょっと華奢。


女の子みたいなほっそい腕が私を包み込む。





「好きって言われるの慣れてないでしょ？」



『……慣れてない』



「ふふ、かわいい」



『かわいくない……』



「えー、かわいいよ？そらるさんは好きって言ったらAちゃんがこんなに可愛い反応すること知らないんだね」





まふくんが好きだの可愛いだの連呼するから恥ずかしくて離れようと試みる。


身を捩って肩を押してもなかなか離れてくれない。





「そらるさんに、別れてくださいって言える？」



『……』



「ボクも一緒にいてあげようか？」



『っや、それは……』



「じょーだんじょーだん。でも別れたらボクと付き合ってくれるんだよね？」



『そうなる、のかな……』



「あははっ、そらるさんどんな顔するんだろ！」





まふくんが心底楽しそうに笑う。


まふくんが好きなのは、本当に私？


もしかしたら、そらるさんを好きな私が好きなんじゃないの？





「ボクはそばにいるからね」





人からの好意に自信が持てないなんて。


その想いに不安しか抱けないなんて。


我儘にも程がある。





でも、まふくんは好きって言ってくれるから。

きっとそらるさんよりは私のことが好き。

そう思っておく。






「……ふーん」

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