血の繋がらない家族 ページ8
♢
Aside
コイツには姫抱きもおんぶも似合わねぇという事で怪我人を俵担ぎで運び、縁家専属の医師にみせる
『ど、どう…?死なないよね…?』
医師「ふふ、大丈夫ですよ。傷ももう殆ど治っています
…もしかして、彼が鬼の血を引いている事、忘れてました?」
『…………あ』
縁家に関するものに人の血しか持たないものは少ない
というのも縁家自体が血縁者の集まりではなく、人の世では生きづらい…他種族との血や力を受け継いだ者達の集まりだからだ
その中でも火力に特化した鬼達は縁家本家に仕える事が多い
透は割と色濃くその血を継いでいて、治癒力はピカイチ
『でも…それでも…ごめんね』
もっと早くあの女を殺せていれば…
痛い思いもしなかったでしょ?
『ゆっくり休んでね』
___なんて事があったのに…
翌日…
透「治った」
『マジかお前…腕は?』
透「綺麗に治ったよ、あの本丸に行かないとだろ。早く行こうぜ」
そう言って私を置いて先に進む透
『ちょ、護衛対象を置いていくことある?!』
透side
全身が裂けるような激痛の末、俺は意識を失った
夢の中でずっとAが涙を流し「死なないで」と叫んでいた
雪女の末裔であるが故か、昔から何があってもアイツの表情は凍った様に動かなかった
その姿にどことなく恐怖を覚えたのを今でもよく覚えている
そんなAが死にそうな俺を見て涙を流したのだ
昔のAからは全く想像もつかない
いつかは他の人にもそういう風に…
心を開いて欲しい
いつかAが心から笑えるように___
♢
7人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:シノン | 作成日時:2024年3月23日 21時