身代わり審神者の本丸修正奇譚 (ページ7)

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5話ページ7

本丸の取り壊し、そう言われた時よりもずっと彼らは驚いていた。

『私をこの本丸の審神者にして。
嫌いでいい、いたぶったっていい。
だから、ここにいさせて』

長義「…君には伝えられていないだろうが、この本丸は政府からの対応も最悪だ。食料の供給もまともになければ物資の供給もない。君がここで過ごすなら自給自足になるけど？」

ここで長義からの脅しの一言、という名のファインプレー。そんな事言われて速攻で答えるヤツ、信じたくなっちゃうよね？
ごめん、今はその優しい心を利用させて。

『それでいい。こう見えて自給自足は得意なんだ。』

今までだってろくに食べ物なんて与えられてなかった。頼れるのも、信じられるのも自分だけ。そんな状況下で昔大切な人に言われた“生きろ“という言葉だけを頼りに生きてきた。
そんな私にとっては正直毒さえなければだいたい食えれば同じだ。((

「……本心では生きたい、というのも事実ではある。しばらくの間様子見、という事でどうだ？」

「はぁ！？」

「……三日月宗近。あんた自分が何言ってるのかわかってるのか？」

反対意見の刀剣男士達が口々に言う。
何も言わない刀剣男士は賛成…という訳ではなく、三日月の意見だからまぁ…というところだろう。

それにしても、そうか…

彼が天下五剣が一人、三日月宗近か。

言われてみれば、彼の目には三日月が浮かんでいる。藍色の瞳に浮かぶ三日月はまるで夜空に浮かぶ月のよう。

『ねぇ、長義』

長義「なんだい？」

『今日の月は三日月だよ』

私の突然の言葉に長義は意味がわからないようで不思議そうにこちらを見ていた。