身代わり審神者の本丸修正奇譚 (ページ6)

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4話ページ6

「へぇ、じゃ今ここで俺がアンタを殺してもいいってこと？」

そう不敵な笑みを浮かべる刀剣男士。

『えー、それは困る。死んでもいいけど、なるべく死にたくないからさ』

私がそう言うと更に頭にハテナを浮かべる彼ら。長義は大きなため息をついている。

『ま、いいや。私の処遇は決まったのかな？』

「あぁ」

名も知らぬ刀剣男士は淡白に答える。

「この本丸に審神者など必要無い」

『こんだけ考えて結局それかよ！！』

長義「…賢明な判断とは思えないね。君達の本丸は審神者が決まらなければ即取り壊しだ」

『えぇッ！？そうなの？！？！』

私はすごく驚いた。だって知らなかったんだもん。でも逆に刀剣男士達は冷静だった。

「承知の上だ。審神者に食い潰されるより、大切なこの本丸と共に滅ぶ方が本望というもの」

刀剣男士達の目は真剣だった。一切の淀みも、迷いもない…もう心に決めたという顔だ。
それでもその瞳にはほんのりと…寂しさというか、別れを惜しむ悲しさというか…そんなものが宿っている気がした。

………嗚呼、ダメだ。それだけは。
それでは私と同じになってしまう。
本当なら会ったその時すぐに私を殺してもおかしくなかった。それでも、殺すでもなく、自らの死を選んだ。きっと彼らは人間が大好きだったんだろう。
でも、これ以上傷つきたくないから。これ以上人を疑いたくないから……。

本当はまだ本丸で過ごしたいんでしょ？

本当はまだ仲間といたいんでしょ？

本当は─────⋯⋯

『まだ、生きてたいくせに…！』