9話 ページ10
『あ、あそこのでかい障子のとこが広間?』
こ「そうです!」
『ほなはよ入ろ⋯』
_______ドスッ
と凡そ現代社会では聞くことの無い音が聞こえる。振り返ると壁に刀が刺さっている。どうやら障子を突き破って狙ってきたみたいだ。
『殺意高すぎんか?
え、この状態ではいるん?マ?』
こ「ここはどんと!勢いで!!」
こんのすけももうやけくそだ。人の命を軽く見やがって。((
私は意を決して障子に手をかける。
『たのもー!!』
スパァンッと勢いよく障子を開ける。
勿論刀を向けられた、相手は腹部が抉られていたりととにかくヤバい。血だらけ。
ホラーは好きだ。ただし“コレ“はまた別なんだ。
『こ、こんのすけ⋯。』
こ「どうしました⋯?」
『気分悪くなってきた⋯。思ったより酷すぎて⋯。』
薬「おいおい大丈夫か、大将。」
少し奥に居たであろう薬研が此方に駆け寄って来て、背中を擦りながら優しい言葉をかけてくれる。
『あ、ありがと⋯。』
少し気分も落ち着き周りを見てみると付喪神であろう人達は目を丸くしている。
『⋯⋯?』
「どういうこと?薬研。」
「今…大将って。ソイツを…審神者を主として認めたって事!?」
「君はお兄さんを審神者が原因で失ってるはずだけど⋯。」
⋯⋯⋯⋯⋯は?
どういう事?お兄さんを、失う?
⋯審神者が、原因で⋯⋯?
そういえばこんのすけが何人か折られたって、もしかして、その中に⋯?
薬「初めはちゃんと殺すつもりだった。けど、この人は…大将は良い奴だぜ。初代と同じ、良い奴だ。」
初代?…よく分からない。知らない事ばかりで頭が混乱する。
嗚呼、私…なんにも知らない。わかったつもりでいた、けど何も知らなかった。この本丸の事も、付喪神…刀剣男士の事も……薬研自身の過去の事も。
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作者名:シノン | 作成日時:2024年1月22日 12時