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19話 ページ20

「ふっ、あはは!」

唐突にその人…刀?は笑い出す。

「薬研の事手入れしてるからどんな奴かと思ったらアンタ面白いね。」

お、おもしれぇ女ってコト⋯!?(((

「普通死なないように言い訳するでしょ。それなのに「確かに」って⋯。」

未だに肩を小刻みに震わせ必死に笑い声を抑えている刀剣男士。
おそらく前任にやられたであろう剥がれ落ちた爪、残った爪に彩られた真っ赤なネイルからはオシャレ好きなことが分かる。
あとピンヒール履いてる⋯!!

『ちょ⋯。』

こ「ちょ⋯⋯?」

『ちょー可愛いーッ!!!』

「は⋯?可愛いって俺の事?」

そう聞いてくる刀剣男士に私は必死に首を縦に降り頷く。

「そんな事無いよ。こんな姿可愛くない。こんなんじゃ、愛されっこない。」

『そんな事無いッ!!』

私の突然の大声にこんのすけも刀剣男士も目を丸くしていた。

『だって貴方の爪凄い綺麗や。毎日手入れされてるのが分かるくらい綺麗。その努力を可愛いって言えるかは別やけど凄いことやし、素敵やと思う。』

「ほんとに?俺…頑張れてるかな…?」

その声はほんの少し震えていて、目には涙が溜まっている。

『うん、頑張っとる。沢山頑張ったで。沢山頑張ったから、もう…休んでもいいんやで。』

彼は広間の時に薬研と言い合っていたうちの一人だ。きっと沢山酷い事をされて物凄く人間を恨んでいるだろうし、人間が怖いだろう。けど、それでも仲間の為に前に立っていた。

それは凄く勇気の必要な事だって私もよく知っている。

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作者名:シノン | 作成日時:2024年1月22日 12時

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