8.白濱亜嵐 fromGENERATIONS ページ14
亜嵐side
『亜嵐』
この世界で一番大好きな人が俺の名前を呼んだ。
少し前を歩いていた俺は立ち止まって振り向いた。
「ん?どうした?」
俺は幸せだったんだ。
GENERATIONSとして夢のドームツアーを控えて、最近はテレビにもいっぱい出させてもらえるようになって。
EXILEの活動も始まって、ありがたいくらいに忙しかった。
それもすべてAが支えてくれた。
でも、自分の幸せだけで、彼女の苦しみに気づいてあげられなかったんだ。
『私たち別れよう。』
その一言に俺は固まった。
時間が止まったみたいだった。
心臓だけはバクバクしてうるさかった。
『あのね…好きな人ができたんだよね…!』
うそだ。
Aの声はすごく震えていたし顔も泣きそうになっていた。
何よりそんな子じゃないってわかってる。
でも、声が出なくて。
何て言って止めれば良いのかわからない。
どうすればいいんだろう。
「…ごめん」
精いっぱいの言葉がそれだった。
Aは困ったような顔をして、涙を流していた。
『あれ?あはは…何か涙出てきた…何でだろ』
無理して笑うAを見て、胸が締め付けられた。
いてもたってもいられず、黙って抱きしめた。
「ごめんな…気づいてあげられなくて。俺自分のことしか考えてなかったんだな…。」
仕事ばっかりでろくに会うことも出来ないし、毎晩かけてくれる電話も途中で寝ちゃったり、LINEもほとんど返してなかった。
今さら気づいたんだ。
Aの優しさに甘え過ぎてた。
ぎゅっと抱きしめる手に力が入る。
俺がこんなに泣かせてしまった。
きっといつも泣いてたんだろう?
『亜嵐…ごめん…ごめんねっ!』
ぼろぼろと涙を流す姿に俺も涙が止まらなくて。
「違う…謝るのは俺だ。本当にごめん…ごめんな…。」
抱き合いながら道端で号泣する俺たちはすごく変人だったかもしれない。
そんなの気にならなかった。
「俺は別れたくない…もう一度やり直そう…?思ってること全部言ってよ…。」
別れたくない、とかやり直すとかダサいこと言ってるかなって思ったけど、そのくらい俺にはAしかいないんだ。
かけがえない人。
涙を流しながらも、こくこくと頷いたAをさらに抱きしめる。
『亜嵐、ごめんね、ごめんね…やっぱり別れるなんて無理だった…』
「うん…ごめん…俺も無理だよ…離さないから」
少し落ち着いた俺たちは手を繋いで家に戻った。
夕焼けが俺たちを照らしていた。
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藤ちぇる(プロフ) - GuRinさん» 返信遅くなりました、すみません!リクエストありがとうございます!移行次第挑戦してみますので、お楽しみに! (2020年2月28日 16時) (レス) id: e2a65ded55 (このIDを非表示/違反報告)
GuRin(プロフ) - こんばんは!砂田くんの嫉妬するお話みたいです…いつも更新楽しみにしてますっ (2020年2月22日 2時) (レス) id: fe7c458fbf (このIDを非表示/違反報告)
BBZ-rarayupi(プロフ) - めちゃくちゃおひさですいません!(´・c_・`) ねえちゃん呼び。最高すぎます!!! 続きがめちゃくちゃ気になります..!! (2019年12月28日 23時) (レス) id: 44d872b8cc (このIDを非表示/違反報告)
ぐーりん(プロフ) - 初めまして^_^いつも更新楽しみに見させて頂いてます!バリボのお話、とっっっても素敵でした〜…(≧∀≦)バリボのお話の更新、楽しみに待ってます! (2019年10月2日 9時) (レス) id: 28842cd990 (このIDを非表示/違反報告)
BBZ-rarayupi(プロフ) - 藤ちぇるさん» はい! めちゃめちゃ楽しみに待ってます(笑) (2019年9月29日 20時) (レス) id: 64005cd1ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤ちぇる | 作成日時:2017年8月16日 1時