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『その代わりに…』


あ、これはまずい…


咄嗟にそう感じた。


自ら弱みを握らせてしまった。


何を要求されるかわからない。


『また歌聴きに来ても良いですか?』


壱「え?」


予想外の言葉に、気の抜けた声が出た。


壱「そんなことで良いの?」


『え?むしろ良いんですか?』


壱「まあ別に良いよ」


なぜか俺の方が不思議がられている。


俺が良いと言った瞬間に目を輝かせた。


『では、失礼します!また歌聴かせてください!』


名乗ったり、連絡先を聞こうとしたりすることもなく、さっさと帰って行った。


壱「なんだ、あいつ…?」


1人残された俺は呆然としてしばらく動けなかった。




それから、俺は週2くらいのペースで屋上で歌った。


気が向いた時に行っているのに、


あいつは毎日屋上にいて、どこに隠れているのか


俺が歌い終わると拍手しながら現れるのだった。


壱「お前いつもどこに隠れてるの?」


『え!隠れてなんかないですよ』


壱「でも俺が入ってくる時はどこにもいないじゃん」


『あー、じゃあ見に来ます?』


着いて行くと、屋上の中でも高くなったスペースに登る扉があった。


そこの鍵は持ってないから近づいたことなかったなー


ガチャ


扉を開け、少し階段を登ると、この学校で一番高い所に出た。


壱「ここの鍵も持ってるんだ…」


『校長先生雑すぎて、屋上の鍵一式くれたんです笑』


校長…。


大丈夫か?


『ここ高くて気持ちいいんです』


たしかに。


空がいつもよりもずっと近い。


暖かい日差しと風が気持ち良かった。


壱「寝転がってもいい?」


『どうぞどうぞ!寝転がって空見るの最高ですよ!』


寝転がった俺の隣に、あいつは何のためらいもなく寝転がった。


呑気に空を見て微笑んでいる。


なんで俺の方が意識しなきゃいけないんだよ…

▽→←22.川村壱馬 from THE RAMPAGE



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設定タグ:GENERATIONS , THERAMPAGE , FANTASTICS,BALLISTIKBOYZ   
作品ジャンル:ラブコメ
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翡翠 - もう最高です! (2020年3月2日 12時) (レス) id: 7a62fb35b6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:藤ちぇる | 作成日時:2020年2月28日 21時

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