21.神谷健太 from THE RAMPAGE ページ8
健太 side
「あ、やっと来たあ〜!もう遅い〜♡」
似合わない猫なで声でぶりっ子する女。
正直寒気がする。
健「ごめんごめん、お待たせ!拗ねる顔がかわいいから、焦らしちゃった」
心にもないことをテキトーに言うと、満足そうに喜ぶ。
「ねええ、本当にアフターなしなのお?」
健「この店自体がアフターないからね」
「バレなきゃ良いんでしょ?お金なら払うからあ!」
金を払うから自分を抱けと言うのか。
1回自分の顔と体を鏡で見て来いよ。
健「俺嘘つけないからバレて辞めさせられちゃうよ」
「ん〜じゃあ辞めて私と結婚する?」
脳みそ湧いてんのか?
健「俺なんかと結婚してくれるの?」
肯定と勘違いしたのか、目を輝かせる客。
こいつもそろそろ潮時だな。
ホストになってから溜まっていく貯金と反比例して、心はすり減っていく感じがした。
健「あーーーーつかれたーーーー!!!」
瑠唯「声がでかい!」
疲れきった心を癒すべく、幼なじみの瑠唯が経営する沖縄料理屋に来た。
2週間に一度くらいのペースで、溜まった鬱憤を晴らしに来る。
瑠「はい、いつもの餃子セットね」
俺が店に来ると、瑠唯は俺につきっきりで一緒にご飯を食べながら愚痴を聞いてくれる。
優しいやつだ。
瑠「Aちゃん、まかない食べてく?」
瑠唯がバイトの子に声をかけた。
初めて聞く名前だな、新入りか?と思い顔を上げる。
『やった〜!その言葉待ってました!食べます!』
時が止まった、ような気がした。
勝手に目が引き寄せられる。
完全に好みどストライクだ。
瑠「ほんと素直だな〜笑 」
ちょっと待ってて、と立ち上がった瑠唯は厨房に戻って料理を始めた。
Aちゃんと呼ばれた子はエプロンを取り、カウンターに座る俺から一つ空けた隣に座った。
『健太さん、ですよね?いつも店長から話を聞いてて、会ってみたかったんです!』
135人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
翡翠 - もう最高です! (2020年3月2日 12時) (レス) id: 7a62fb35b6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:藤ちぇる | 作成日時:2020年2月28日 21時