パルファムの夢【BLオリジナル】 (ページ15)

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＿＿＿＿＿＿翌日。

昼からラジオの収録があった俺は、朝普通に起きて、ちゃんと飯を食って、身支度を整えた。
すぐ出れるくらいに準備をして、テレビをつけてニュースを見る。丁度フェアビアンカの特集がされている。

二人の王子様が白いバラを手に貴方を迎えに来る。
アイドルユニット、フェアビアンカ。

衣装も白くてごちゃごちゃしたものが多い。
膨張色なのにまとまって見えるのは、自分達の努力の結果だろうけど。

「ふあぁ……肇…………」

寝室から真が欠伸をしながら来た。9時くらいだからそろそろだとは思ったけど。

「真、今日昼から仕事あるから。帰るときはポストに鍵入れといて。」

「ん……」

小さくこくりと頷いて、俺の横にどさ、と体を預けるように座った。まだ微睡みの中にいるようだが、テレビに映る俺達を見ると気づいたようで。

「……僕達だ」

「そう。前録ったやつ。シングルの宣伝とちょっとしたおまけ。」

「あ、バラの花束作るやつだっけ。しかもフェアビアンカ……あ、これはバラの方ね。それ限定の花束。」

「ちょうど今から作り始めるよ。」

画面の中の二人は、楽しそうに笑いながらそれぞれの花を作っている。俺はクール王子らしくシンプルに。真は甘々王子らしく派手にフリフリと。

完成！なんてハートのフィルターがかかったテッパンの編集。そしてその後に補足のようなナレーションが入る。

『こちらの白いバラ、花言葉は私はあなたに相応しい、といった意味があるようです！フェアビアンカのお二人を表しているようですね〜！』

「……なんか、照れくさいね。」

真がへら、と笑って言った。
フェアビアンカが結成された時に、社長からユニット名の由来を聞いたから、勿論花言葉についても聞いていた。
互いを尊敬して、尊重できると思ったからフェアビアンカだって。

「……俺達は相性良いと思うよ。」

「え？」

「俺はお前に相応しいって、胸張って言える。」

癖のない真っ直ぐな、だけどきっと誰かの心を響かせている歌声。息のあったダンス。華のあるビジュアル。

「俺は、フェアビアンカを離さないしお前が他と組んでも、ここまで上手くいくとは思わない。俺達が一緒だから……ここまで来れたんだって。そう思ってるから。」

真に自然と微笑みかける。
超自意識過剰だし、キザってのは承知の上で言ってみた。正直恥ずかしいけど、本心ではあるから。

「……俺も！」

真は少し、息苦しそうに笑った。