あ、始めました ....y.hika

からは、何も生まれない ページ50

｢綺麗になる努力してさ、仕事頑張ってさ、じゃあ、次は ちゃんと人の事見れるの目指せ。｣

｢……バカにしてんの？｣

｢腕。それする痛みは知らないけど、何回も切るより、何回も泣くよりさ。笑ってた方が可愛いと思うけど。｣

｢…………私、可愛い？｣

｢まぁ、それなりに？｣

｢なにそれ…。｣

｢けど、お前は猫だから。俺も猫なのよ。だから、違うんだわ。｣

｢は？｣

｢俺が可愛いなって思うのは、猫じゃらしなんだよね。｣

｢ごめん。意味不明なんだけど…。(笑)｣

｢…笑ってんじゃねぇよ。｣

｢笑えって言ったり、どっち？(笑)｣

｢な？笑ってた方が楽しいべ？正直、まだ言い足りないくらい。男ならボッコボコにしたいけど…言い合いからじゃ、何も生まれないだろ？｣





ねぇ。
光くん。
その子はちょっとは本当に光くんを好きだったんじゃないかな。



だって、人に撫でられてる猫は大人しくなるでしょ？

少しでも、心を開かない人には、牙を剥くけど
少しでも、心を開いてる人には、喉を鳴らして大人しくなる。


｢はーぁ。バカな男しか寄ってこないんだから。こんな可愛い子、勿体無い!!光はバカだね｣

｢俺から寄ってったんじゃないし。｣

｢……そっか。私が見る目無かったって話だ？｣

｢まぁ…それでいいんじゃね？｣

｢……ごめんね。殴りたいよね。けど、殴らないで。一応、顔は商品だから。｣

｢うん。…殴んないから。もう関わんないで。それで…許す。｣

｢また遊びに来てくれる？お店(笑)｣

｢殴るぞ？｣

｢怖っ!!殴られる前に出てきますっ｣



その会話が終わると同時に、部屋のドアが開いた。


私を見て、｢やっぱ可愛くないね。｣そう言って、大きい荷物を両手に出て行った。

この小説の続きへ→←言い合い

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す