あ、始めました ....y.hika

猫がキスする ページ36

別れてって言ったのは光くんで…。

荷物取りに来てって言ったくせに。

居なかったのに、いつの間にか立ってて。

大好きな声で｢好きだ｣って言う。






それに、一つキスを落とし、泣きそうな顔をするんだ。






ワガママすぎるよ。
本当に猫みたい。
私をどうしたいの？
遊んで楽しい？



光くんに疑問しか生まれない。



｢光く…｣


聞きたい事が沢山ある。
教えてほしい事は山ほどあるけど、私の言葉を遮るように玄関の開く音がした。




｢光ー？｣



あの女の子の声。



光って呼んでるんだね…。



｢光ー。どこー？｣




どうしよう。
どうするの？！

段々近付く足音に、心臓が踊ってくる。





｢あの、光くん…｣

｢シッ…靴箱ん中に、靴、隠してあるから。俺がリビング行ったらすぐ出ろ？分かった？｣



そう言ってトイレから出て行くと



｢あ、いた！何してたの？｣

｢トイレくらい行くだろ。てか、忘れ物したから、待ってろっつったのに。帰ってくんなよ!!｣

｢冷たーい！寂しかったんだもんっ♡｣

｢……………。｣

｢ねっね！光｣

｢…しねーよ？｣

｢まだ何も言ってない!!｣

｢分かるわ！くどい！キスはしない！
そうゆーの嫌いだっつてんだろーー！引っ付くな!!｣



そんな会話が聞こえて、ドアがバタンとしまった。



リビング入ったら出ろ。


言われた事を思い出し、寝室のカバンを持って
音を立てない様 急ぎ足で外に出る。

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