大事な話 ページ29
(コンコン)
「失礼します」
栗山「ごめん急に。わざわざ北海道から呼び出すようなことして…」
「監督も大丈夫ですか?」
栗山「俺は大丈夫。ありがとな」
「私も大丈夫です!」
栗山「そうか…まず今シーズンどうだった?」
「思ってたよりよかったと思います。でも、盗塁が少ないのが悔しいです。」
栗山「俺も嬉しい。千里が活躍してくれて。代打起用しか出来なかったけど大事な場面で打ってくれて助かった」
「そんなことないです!」
栗山「今シーズンはスタメンで出れなかったんだよ。もともと」
「え?」
栗山「そういう決まりがあってね。女性選手は1年目はスタメンに出れないことになってたんだ。隠しててごめん。秘密にするのも決まりだったから」
「そうだったんですか…でも少しホッとしました」
栗山「どうしてだ?」
「スタメンで出れないのに1軍にいてもいいかのかなってずっと悩んでましたから」
栗山「本当にすまん!」
「大丈夫です!あの、それで大事な話とは…」
栗山「まずは聞いて欲しい」
「はい」
少し和やかな雰囲気がピリリとした雰囲気に変わった
監督の視線が私の目に突き刺さる
栗山「アメリカからオファーが来てる。女子野球で。」
「オファー…ですか?」
栗山「そう…お前にだ」
「えっと…あの…」
栗山「千里はまず何を目指している?」
「目指すって…」
栗山「監督やコーチとして野球に関わるのか、野球を出来るまで選手としてなのか。結婚するなら野球を続けることは難しいと考えた方がいい。」
「私は選手として、野球関わりたいです!」
栗山「そうか」
「アメリカに行ったら何をするんですか?」
栗山「女子野球の普及にってオファーが来てる。コーチとかもするらしい。もし、コーチを目指すなら行った方が良い」
「コーチ…ですか」
栗山「あ、もちろん、アメリカに行かないならファイターズに残って欲しい」
「ファイターズに残ってもいいですか?」
栗山「もちろん!」
「私、結婚したいんです!将来」
栗山「いつしてもいいからな。結婚。シーズン中でも」
「途中でやめてもいいんですか?(笑)」
栗山「それは困るな(笑)」
栗山「まあ、本当に千里の好きにしてもいい。ファイターズは千里の味方だからな!」
「ありがとうございます!」
栗山「そうだ。最後に明日フェニックスリーグ行ってきて。確か、卓とかも行くはず。」
「わかりました!」
栗山「今日はありがとう!」
「いえいえ!さようなら!」
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作者名:水月 なつき | 作成日時:2017年8月15日 20時