十節 ページ32
瓜生「許すわけねぇだろ！！」
突如響き渡る瓜生陽介の怒鳴り声に、梓は、肩を上げ目を見開き驚愕した。
瓜生「俺の方があんたのしたこと全部を！！」
瓜生「……俺いくつん時からバイトしてると思う？…14だよ！」
瓜生「朝から晩まで。皆が遊んでる間に、知らねぇ大人にペコペコ頭下げて！今の今までずっと…ずっとだよ！！」
瓜生陽介の口からはこれまでのいくつも乗越えてきた辛い日々が語られた。
瓜生「返してくれよ…俺の一番大切なもんを」
知らない間にこぼれ、鼻先に溜まった涙。それを手の甲で元々無かったかのように綺麗に拭き取った。
が、涙は零れることしか知らない。拭いても拭いても溢れてくる涙と鼻の奥でツンっと詰まる不快感。
隣では向坂俊二が気まずそうに床を見ていた。
瓜生「…別に、全部が全部嫌だったってわけじゃねぇよ。俺が頑張ることで、亮二や勇樹がちゃんと暮らせてるっていうならまだやり甲斐があったよ。」
瓜生「でも…俺が一番許せなかったのは、あんたが、その金を知らねぇ男に使ってるって事だよ！」
息の詰まるような音が突如聞こえた。
その音を出したのは紛れもない瓜生陽介で、その音は、机の上に散らかった化粧品を床に叩きつけた音だった。
勢いよく叩きつけられたそれらは所々壊れており、修復不可能なものもあった。
その動作に、挙動不審になる母親。
瓜生「この臭ぇ化粧品たちは何だよ！！訳わかんねぇフリフリの服は何だよ！！」
瓜生「何で、俺の家族じゃなくて！知らねぇ男に使う為の金、俺が稼がなきゃいけねぇんだよ！！」
瓜生「……母ちゃん、母ちゃん！！教えてくれよ」
瓜生「俺は、あんたの何なんだ？都合よく金持ってくるアホなのか？それとも、あんたの大事な息子なのか？」
瓜生「おい、俺は、一体何なんだ！？」
梓「ごめん…ホントにごめん。母さんが悪かった。私は、あんたのこと、大事な息子だと思ってる。ホントだよ？だからさ…ねぇ…」
瓜生「許さねぇ。…絶対に許さねぇ！！！俺はあんたを許さねぇ！！」
瓜生「適当な言葉かけてきてんじゃねぇよ！！ふざけんなよ！許せるわけねぇだろ！」
瓜生「テメェが！頭下げるんなら！俺に、俺たちに！ホントにすまねぇと思うなら、そんな言葉で終わらせようとしてんじゃねぇよ！」
瓜生「一生かけて！覆してみろよ！許させてみろよ！」
瓜生「頼むよ…」
最後まで言い切った瓜生陽介の直ぐ下には、涙で濡れた痕が残っていた。
瓜生陽介は、その場に留まる空気じゃないことを察し、勢いよく向坂俊二を置いて、先程、飛び出してきた始末。
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龍亜(プロフ) - 何回も読ませて頂いています。何回読んでもとっても面白いです。次の更新待ってます！頑張って下さい！ (4月20日 18時) (
レス) @page11 id: 3f328260d4 (このIDを非表示/違反報告)
ルーナ(プロフ) - るいくんから愛されてる(名前)くん好きです！続きが気になります！更新待ってます！頑張ってください！！！ (11月5日 0時) (レス) id: 02f6ea63a3 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - ゆいちーさん» ありがとう！！これからも頑張ります！！！ (9月29日 8時) (レス) id: bf417ca2b3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいちー - 更新嬉しいです！これから先も、頑張ってください！ (9月27日 20時) (レス) id: 04235e7b6e (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - 龍亜さん» レス遅くなりました！💦ありがとう！！！楽しんでいってください！！ (9月26日 16時) (レス) id: bf417ca2b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yui | 作成日時：2023年8月7日 3時
