十六節 ページ19
西野「こいつが調子に乗ってるから悪ぃの！いるだけでウザいし、ずっとアワアワして、『い,じめてください』って顔して過ごしてるからこうなんだよ」
片耳のイヤホンを外し西野の話を聞いた。
その内容はどれも、どこにでもある様な古典的な理由で、聞いてるのが阿呆らしくなりぶら下がっていたイヤホンはまた自分の耳に収まった。
隣では音を立てず、琉偉が教室の地べたに座り込んでいる。
少し、今のこの鵜久森叶たちの会話に気を取られていたかちょっと長めの静かな間奏の間に鵜久森叶の声が聞こえ、その声が聞こえぬようイヤホンをグッと嫌なほど押し込めた。
鵜久森「初めは…。初めは…私のある趣味がきっかけで、SNSが少しだけ話題になったことが始まりでした。そこから、西野さんやいろんな人が話しかけてくれるようになって…ちょっとだけ、舞い上がってたんです」
鵜久森「そしたら、何故かいつの間にか、私が男子に媚びてるように言われるようになって。みんなから『調子にのってる』『キモイ』『ウザい』と、囁かれる日々が始まりました。」
鵜久森「それが、私が何も言い返さないからかだんだん直接
顔を見て言ってもいいような空気になってって、学校に行けば、誰もが遊びのように、私に悪口を浴びせるようになっていきました。笑顔で、楽しそうに」
鵜久森「毎日、毎日毎日。学校に行くのが怖くてたまりませんでした。お母さんはさすがに私の様子に気付いたみたいで、『大丈夫？』と、声をかけてくれました。でも、その言葉こそが、私が一番聞きたくないもので」
鵜久森「心の中では『お母さん助けて』って、思いながら、『大丈夫だよ』と、口からは違う言葉が出ていました。私ができることは、お母さんたちに『大丈夫だよ』って言うために、勉強を頑張ることだけでした」
鵜久森「でも…3年生の教科書が配られる日…そんな私の教科書を取り上げて、『勉強の縛りプレーだ』って。消えないマジックで、紙いっぱいに悪口を書かれました。私は、『やめてよ』と言いながら少しだけ笑っていました」
鵜久森「だって、笑ってないと心が可笑しくなりそうだったから、私が唯一学校の中で、自分の力でどうにかできる希望も、この人たちはゲームのように壊してくる。その姿を見てたら、この人たちが、人間じゃないなにかに見えました」
鵜久森叶がそうこう話している間に俺は二本の音楽を聴き終えていた。
ふと思う、未来がすっかり変わってしまったと。
けれどこれも範囲内の誤差。
これから先が
本当の……。
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龍亜(プロフ) - 何回も読ませて頂いています。何回読んでもとっても面白いです。次の更新待ってます！頑張って下さい！ (4月20日 18時) (
レス) @page11 id: 3f328260d4 (このIDを非表示/違反報告)
ルーナ(プロフ) - るいくんから愛されてる(名前)くん好きです！続きが気になります！更新待ってます！頑張ってください！！！ (11月5日 0時) (レス) id: 02f6ea63a3 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - ゆいちーさん» ありがとう！！これからも頑張ります！！！ (9月29日 8時) (レス) id: bf417ca2b3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいちー - 更新嬉しいです！これから先も、頑張ってください！ (9月27日 20時) (レス) id: 04235e7b6e (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - 龍亜さん» レス遅くなりました！💦ありがとう！！！楽しんでいってください！！ (9月26日 16時) (レス) id: bf417ca2b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yui | 作成日時：2023年8月7日 3時
