神威には隠し子がいた？！

No.４ ページ5

阿伏兎side


「てててっ」


「ママン、おとなしくして
バンソーコーはれへんやん」


「元はと言えばお前のせいだろうが
このスットコドットイ！」


「しょうがないやろ？パパンの気をどっかに向けるためやったんやから。」


「だからってな．．．」





こいつが来てから随分と立ったが、いまだに正体はつかめない。それどころか、秘密がありすぎて何が本当で何が嘘なのかもわからないこいつだったが、１つだけ本当を見つけた。


こいつは団長の事が大好きなのだ。
団長はその場にいなかったから気づかないようだが、本当にこいつは団長の事が大好きなのだ。


【女】であることを隠していたのも、『訓練は苦手だけど、パパンと１秒でも長く居たいんよ』って言うことらしい。





「あ〜あ。これでパパンといられる時間が短くなっちゃった」


「言えばいいだろ？」


「えー？恥ずかしいんよ．．．」


「まぁ、でも安心しろ。多分訓練は無くならないから」


「ほんと？！」


「ああ」





多分、団長は訓練を続けるつもりだろう。
なぜなら、この船で生きていくためには強者じゃないとならないからだ。


弱者は死ぬ場所を選べない。
だから、強者にならなければならない。
この【春雨】はそれを体現した船と言っても過言はない。


だから、嫌がっても訓練は続けるさ。

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