【五ノ型 鮮烈】８:累 ページ4
雑魚鬼は一通り倒した兎衣
しかし眼前と広がるのは下弦ノ伍と上弦ノ弐
初めて会い戦う相手だがその姿過去倒し方はよく知っている。本誌で見たのだ。
だが、兎衣の世界だったあの世界では累はともかく童磨はどういう倒し方かなんて分からない以上下手なことは出来ない。
「僕早く帰らないと姉さんたちが心配するんだけど・・・君から来ないから僕が行くよ」
家族に執着する累。
今世でも鬼になってしまって可哀想に
「君は柱みたいだから最初から本気ね」
「【血鬼術 刻糸牢】」
「【四季ノ呼吸 秋ノ型 光天名月】」
心を落ち着かせ迫ってくる赤い糸の牢獄を呼吸でいなす。確かに硬い糸だしかし柱のましてや私にやられるくらいだったら他の柱の方だったら瞬殺されていた
「っ！【血鬼術 刻糸輪転】」
本誌で見せていた水柱冨岡さんに向けたあの技
さっきの技より威力があって糸の高度も上がってるけれど──
「【四季ノ呼吸 冬ノ型 雪景色】」
やはり弱い。
兎衣の刀身は累の頚を斬った。
その動作は緩やかに柔らかくしかし、力強く鬼の頚を落とした。
「あ、あぁまた・・・また間違えた。今度は間違えないように頑張ったのに・・・」
全てを思い出したのかポロポロと涙を流す累
その姿に何も声をかけられない。
でも何とか言葉を紡ごうと無理やりにも声を出す
「・・大丈夫。今度はきっと」
「キミは・・・励ますことが下手だね。
でも、ありがとう・・・」
累はそのまま家族を想って涙を流しながら塵とかしていった
「おいおい・・・どういうことだよ
なんで十二鬼月が死んでいる！」
累と同じ声でしかしその声は怨念が詰まっている。そんな声を発するのは今回の主導者
身体中に手がいっぱいつけられている男だ
ガリガリ、ガリガリ首を掻くその姿は正気とは思えない。けれど、正気だからこそ敵を散り散りにして数で攻めるようなまねをしてるんだろう。
「十二鬼月と言っても下弦は弱いんですよ〜」
軽やかな声がその場に響き兎衣は柄を持つ手に力を込める。こいつは本当に強い油断なんて一切出来ない
「まぁでも前世に比べればよくやった方なんじゃないかな？」
「・・・は？」
思わず声が漏れた。
前世、前世、なんでお前がそのことを知っている？いや、それよりもなぜそのことを分かっていて鬼になってる？
「お前っ！」
「あれ？怒ってる？ふふふっ」
私は怒りで震えた。
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作者名：まぃ | 作成日時：2020年7月24日 0時
