検索窓
今日:14 hit、昨日:8 hit、合計:73,609 hit

ページ33

Aは犬触るの苦手って言ってたけど、俺を犬のように扱うのは上手だと思う。

仕事中なんか特に。

待ても、ご褒美も、しつけとかその他もろもろ。

俺を上手にコントロールして、いつだってAに触れたい、ちょっかい出したい俺の気持ちごとちゃんと整理してくれて、仕事に集中できるよう整えてくれるからすごい。

ただ、それが人にするような感じじゃなくて、なんて言うか、言葉は人間なんだけど…



態度とか、視線とか。



そう言うのがホント犬が犬にするような感じで、ちょっとおもしろい。



今もほら、大舞台に浮足立って、不安で落ち着きが無くなってる俺をシャンとさせるために、頬に軽く指当てて俺の視線を固定して、

『ジミン、いい?視線うろうろしないで。失敗しても、いいの。あなたは世界で一番素敵で、かっこよくて、素晴らしいから』

って、俺世界最強な感じの暗示を掛けてくる。

「そう?」

俺はすぐにその気になって、Aの言う通りの人間なのかな?ってちょっと思い込もうとする。



Aは付き合ってみると、ほんと思いの外饒舌で気持ちを隠すことを知らなくて、そこがどこでも、俺たち以外に人がいたって気にしない。

あんまりあっけらかんとしてるから、スタッフは皆俺たちのこのバカップルっぷりにもう慣れっこだ。



『そうなの。だから、そんなあなたはミスなんかしない。あなたがもしミスしたって思っても、全世界の人がそれミスじゃないって言ってくれるから』

「Aは?言ってくれないの?」

Aが全世界なんて遠巻きな言い方する時は、大体自分を含めないから、俺は気になって突っ込んで聞いてみる。



『私?私はジミンと一緒に失敗は失敗だって受け止める。でもいいでしょ?その後たっぷり二人で、反省会するんだから』



ほら、なんつーご褒美上手なこと!



俺はもう緊張とか吹っ飛んで、若干ふにゃふにゃしながら、Aに送り出されてスーツの着替えを待つスタイリストさんのところによろよろ向かった。

◇→←たとえ、君が犬でも



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (179 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
415人がお気に入り
設定タグ:bts , 防弾少年団   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:フネ55 | 作成日時:2023年1月28日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。