たとえ、君が犬でも ページ32
【 僕は君の、犬になりたい 】
『ジミン』
君に名前を呼ばれるだけで、
俺は自分の体にしっぽが生えたんじゃないかって、
誤解しそうになるよ。
歓喜でいっぱいになった胸の内が、衝動を抑えきれずに背筋を震わせて、体中がおののく感覚。
ああ、全身で表現できるもんなら、ほんと、してる。
君が好き。
『ジミン、お願い。仕事中はその顔やめて』
「あっうん?」
今日は海外での撮影の日で、これから真面目なスピーチの撮影やら、プレス対応やら色々あるのに、俺は俺の顔を作ってくれてるAの顔を眺めるのに忙しくて、ちょっと集中力を欠いている。
『ちょっと上見てもらえるかな。私じゃなくて…だから、私じゃなくて。ね?』
ね?ってたまらん。
『ジミン…良い子だから、言う事きいて』
アー、色々たまらん。
U「メイク変わろうか?」
「ウヌヒョン引っ込んでて」
なんだよ!って言って笑うウヌヒョンを後目に、Aは俺の目の周りを整えるのに夢中になってる。
集中したときの、その目がまるでレーザービームみたいに俺を熱く強く貫くから、それだけで変なスイッチ入りそう。
「A」
『ん、ハイ』
ちょっと腕触っただけで俺が何ほしかったのかわかったみたいで、まだリップを乗せてない口にちゅってキスをくれた。
その、良い子にしてたからご褒美ね、って感じの触れ方。
ほんとのほんと、ほんとに好きなんだけど。
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作者名:フネ55 | 作成日時:2023年1月28日 22時