Fear (ページ12)

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side Hokuto

ストーカーについては、

実は樹からの情報で知っていた

はじめ知った時、なんて使えると思ったが

ここまでとは。

偶然あのストーカーが行動を起こしてくれたことで

伊藤Aに近づくこともでき、

住所も連絡先も知っていて不自然ではなくなった。

伊藤Aの脳内で
俺はピンチを救ったヒーローになってたら面白いな、
なんて厨二病のような自分の思考にほくそ笑む

バイブ音がして、ディスプレイをみると

『着信 Juri』

と表示されていた。

北「もしもし？」

樹『よう。どう、順調？』

北「いい感じ、だと思うよ」

樹『なら良かったよ。

どう、あの情報。使えるでしょ？』

北「使えすぎてビビってるくらい。」

今日の出来事を話すと、

電話越しに満足そうに笑う樹の声が聞こえる。

樹『あっ、そうだ。

新しい交友関係分かってきたから、
ポストに入れといたよ。』

無論、俺の住所なんて樹には教えてない

一体どっから情報を入手してんだろ。

でもこれを聞くのはタブー

伊藤Aの情報が簡単に手に入るように、

俺の情報も樹には筒抜けなわけで。

ある意味、お前の行動も丸見えだぞ、

とでも牽制するような行動に

首を絞められるような恐怖を覚える。

なのに

樹『もうさ、あげる所まであげといて、

一気に突き落としたら？』

樹の悪魔のような提案に乗る俺も

死神に魂を売った悪魔なのかもしれない。

自分のマンションに着きポストを確認すると、

樹が言っていた封筒が入っていた。

部屋に入り、中身を見定める。

北「交友関係ね…。

ふーん。って、友達すっくな。」

声も性格も知らない人たちの
名前と顔写真を一致させるように交互に見る。

森本慎太郎

髙地優吾

ジェシー

…最後の人はハーフかな。

彼らの情報まで事細かに記載されている。

てか男しかいねぇじゃん。

女に嫌われるタイプかなあ。

もう1枚を捲ると

『同性の友達はいないに等しい。

理由は不明。

また、大学以前の交友関係は調査中。』

と3行だけ書かれていた

人懐っこそうな人柄なのに、不思議だな。

とだけ思った。

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