男装系頭領は義兄弟の力になりたい！〈京都編〉 (ページ10)

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第拾伍章：『京上空の戦い』ページ10

目線：NO

白蔵主「一つ訊こう。何故、名乗り出た」

夜リクオ「………」

リクオは黙って、白蔵主の言葉を聞いていた

白蔵主「名乗れとは言ったが＿＿これまで拙僧の力を見て名乗り出て来た者は…」

白蔵主「己の力も分からぬ馬鹿者だけだ」

白蔵主「奴良組の若い大将は力の差が分からなんだかっ！！！」

夜リクオ「………！！」((ﾋﾞﾘﾋﾞﾘ…

白蔵主は畏を強く放ち、リクオを威圧した。リクオの肌はビリビリと白蔵主の畏を感じとる

夜リクオ「アンタも馬鹿じゃねーか」

リクオは白蔵主に更に近づいていた

白蔵主「ん…」

リクオの言葉に白蔵主は反応する

夜リクオ「何も言わずに船を落しゃ良いものを…」

夜リクオ「だからバカ正直にはバカ正直で」

白蔵主「………」

夜リクオ「応えたくなったんだよ」

夜リクオ「それと＿＿…」

夜リクオ「邪魔する奴は斬って進まきゃならねぇからな」

リクオも白蔵主に対して畏を放した

白蔵主「ほう…。士道をわきまえ＿＿且つ威勢の良い「クソガキ」だ」

白蔵主は槍を屋形船に『ガズンッ！！！』と突き刺しながら屋形船を持ち上げる

夜リクオ(屋形船ごと＿＿どんな力技だよっ！！？)

白蔵主「オオオオオオオオォオォッ！！！」

雄叫びをあげながらリクオに屋形船をぶつけるべく槍を大きく振りかぶった

リクオは飛んで攻撃を避ける

白蔵主「正々堂々とやっていても“卑怯だ”と思われる程の力＿＿」

白蔵主「それがこの白蔵主の“槍(ﾀﾞｷﾆ)”だ」

リクオは白蔵主の畏を感じて、動きが止まってしまう

白蔵主「“畏”のあまり心の臓も止まり、頭から落ちようとしているぞ…小僧」

『グシャアッ！！！』

頭から落ちたことによりこれ以上、避けることが出来ずリクオは白蔵主の槍に頭を貫かれた

毛倡妓「ヒッ…！？」

首無「リ…リクオ様＿＿ｯ！！？」

貫かれた一部始終を見た奴良組の妖怪たちは悲鳴をあげる

白蔵主「フン…」

白蔵主「呑まれれば一突き…この槍の名こそ“茶枳尼”っ！！！」

白蔵主(ム…)

白蔵主(いや＿＿待て、コイツは＿＿…)

白蔵主は貫いた筈のリクオに対して、違和感を抱いた

夜リクオ？「………」((ﾆﾔﾘ…

白蔵主(幻＿＿)

白蔵主「………」

＿＿白蔵主は違和感の正体に気がついた