10話~他人と相容れぬ人間~ ページ11
有言実行とはよく言ったもの
人の子は本当に傷つき深く刺さっている手を気にせず徐々に刀身を握る力を強くしていく
…………違う、おかしい……こんなんじゃない…!!
私が折られる事に、では無い
この動揺はきっと
一期「………一期一振、粟田口吉光の太刀…一期一振だ」
いの一番に“私”の名前を“私”から聞き出そうと、その身を傷付けてまで、光はないのに真っ直ぐ揺らがない目で私を見てくる人の子にだ
私という存在を認知している
“私”という存在を、個として……この人の子は理解しているのか…
私が名前を名乗ると納得したのか刀身を握る力を弱めた人の子、それに合わせて自分も刀身をそっと
なるだけ傷口を開かせないように引き抜いて鞘に収める
何故だ、何なんだこの者は……この慣れない感覚は
貴方「お前の名前は絶対に忘れない様にする、協力感謝しよう一期一振」
傷を、片手ひとつに重傷を負っているのにも関わらず何食わぬ顔で平然と現状を受け入れて私を見る人の子
その言葉で、あぁ本当にこの者は政府からの人間なのかと納得してしまった
そして何で人間の子供を寄越すのかと思い、疑問に思った事を口にする
まだあの穢れた人間はこの場にいる、政府から直接解雇命令が出ていないのにと思い、それを含めて何故先程こんのすけは審神者だと言ったのか問う
すると人の子はため息を一つ付いて嫌々ながらに任されたと言い、何故か私に手を貸せと言い出した
どうすべきか戸惑いつつ渋々差し出せば
今までに感じたことの無い力を全身に浴びて、気付けばそこらじゅうを蝕む痛みは消えていた
するとこんのすけが思ってもみなかったことを言い出し、人の子はそれに付け足すように説明をし始めた
物部の……そして隔世遺伝で色濃く、それこそ生まれ変わりと言ってもいいほど、つまりこの人の子は人間でありながら
最も私達に近しい存在だと
人の形をとった人ならざる者と
人ならざる者の血を引いた人
確かに、自分で言ってしまえるほどこの子は何処か人間とは相容れぬ様な雰囲気がある
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作者名:元薺(サイ)だった者 | 作成日時:2022年5月23日 9時