憧れの勤め先 ページ12
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「やぁ爆豪少女！！これは爆豪少年と見ているのかな？」
「オールマイトってエスパー？」
「オールマイティだからな」
「絶対超能力はあっちゃダメでしょ」
先ほどと同じく、「私が投影された！！」から始まった合格発表。
未だに音を鳴らしている心臓を落ち着けるために、隣にいるお兄ちゃんといつものように軽い会話をしてみる。そうするだけで、ほんの少しだけ落ち着いてきた気がした。
「これは爆豪少年のを撮り終わってから撮っているんだがね、伝え忘れたことがあったんだ。もし隣に爆豪少年が居なければ、君から伝えてほしい」
「なんだろ」
「知るか」
オールマイトの読み通り、私の隣でこれを見ているお兄ちゃん。
オールマイトの言葉に若干顔を顰めて、投影されているオールマイトの顔を睨みつけている。
「ハッ、雄英に勤めるとかじゃねーンだから」と言い出したお兄ちゃんに、丁度被さるようにオールマイトの言葉が重なった。
「私はこの春から、雄英高校に勤めることになった」
……つとめる？ツトメル…。
務め、勤め…？
「勤める！！？」
「うっせぇ！！！」
「い"っっっだ！？！」
大声を出した瞬間にお兄ちゃんのクッションを勢いよくぶつけられる。
柔らかいとはいえ、個性なしの体力テストでソフトボール投げ67m出す馬鹿力に投げられたクッションは勿論、勢いを殺すことなく私の顔面にダイブ。割と痛い。
ポテッと床に落ちたクッションを、もう投げられないように踏みつけて未だに話を続けているオールマイトを見やる。
「よし！それでは爆豪少女の合否に移ろうか！」
オールマイトのその言葉を聞いたお兄ちゃんは、クッションを踏みつけていた私の腕をグイッと強く引っ張り、自分の隣に座らせる。
「ぶへっ」
「なにマヌケな声出してんだコラ」
「お兄ちゃんが引っ張るから！」
「お前の合否なんだからお前が聞けや」
「ごもっともです」
私を睨んでいるお兄ちゃんに軽く頭を下げると、フンと鼻で笑って部屋のドアの方へ歩いていった。
「どこか行くの？」と言えば「は？ココにいるだけだわ」と返される。
そんな怒らなくてもいいじゃん。
目の前のオールマイトの顔を見て急いで深呼吸する。とはいえ、録画されているオールマイトは私が深呼吸を終わらせるまで待ってはくれない。
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続く
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