参.ぶりっ子って疎まれるモノじゃないんですか？【ブルーロック】

Episode.99 ページ13

潔side









そして同時に千切の言う通り、俺に見つかって焦ったとして普段から演技している片寄さんが演技を忘れる理由にも説明がつかない



人間は基本的に何かをしてしまった時、口からスラスラと言い訳が出てくる。かく言う俺も幼い頃、親の茶碗を割ってしまった時に怒られるのが怖くて言い訳を言いまくった覚えがある。まぁつまり保身に走るのだ




昨日の片寄さんにはそんな素振りが見られなかった。寧ろ混乱していたようで、口からは言い訳ではなく否定の言葉しか出ていなかったと思う。何か失敗して、それを人に見られた時って混乱する、というよりも寧ろ頭が冴えることが多い。頭が冴えたから「これはマズイこと」と脳が認知して言い訳がスラスラ出てくる



じゃあ片寄さんの口から昨日言い訳が出てこなかったのは何故かっていえば、皿を割ったのは片寄さんじゃないからとしか言いようがないだろう





「俺さ〜」


「うわっ蜂楽！？」


「お前いつ起きたんだよ…」


「急に話しかけんな、ビビるだろ」


「にゃは、ごめんごめん〜！」




いろいろ考えていると目の前に蜂楽の頭がひょこっと現れた。まじでビビった。目の前に生首現れたんだぞ？ビビらない奴居なくない？


……生首って言い方もなんかあれだな。うん、人間が現れたらビビるよなって





「で、何？急に起きて」


「あー、そうそう！俺昨日片寄さんと話したんだけど〜」


「え、いつ？」


「……夜だよ？」


「いやそりゃそうだろ」





蜂楽と片寄さん、確かになんか話してそうなイメージあるかも。実際2人が話しているのを食事の時に見ているし。波長が合う……とはまた違ったような感じだけど、蜂楽曰く「話しやすい」んだそう。……話しやすい？



確かに愛川さんと片寄さんだったら圧倒的に片寄さんの方が話しやすいとは思う。けどあの演技をされると一線を引かれている感じがどうも否めなくて、話すのをはばかられるというか……。というのが俺の本音





「片寄さんさぁ、お皿洗ってたから。だからお皿を割るんだったらわざわざ洗うかなぁ？って思って。まぁそういう心理を利用されたのかもしれないけどねん♪」


「……それは益々片寄さん潔白説出るだろ」


「変に俺らが言うのもなんだけど、ホント愛川さん何モン？」


「それが分かったら苦労してねーよ…」







蜂楽の言葉に再び顔をつき合わせて話し出す俺らを見て片寄さんが首を傾げていた。知らなくていいんです貴女は











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