◯２６◯you ページ26
◇
本当はどんな人が来るのか心配で噴水まで歩く間不安が募って足がもつれそうだった。
ホログラムみたいに眩しく光るお祭りの世界から見つけ出した黄色いヒマワリは
優しそうな人の手に握られて綺麗に真っ直ぐ咲いていた。
似合い過ぎてる濃紺の浴衣から覗く鎖骨や
細い腰が恥ずかしくて耐えられない空気に思わず話しかけちゃったけど
私…
おしゃべりなコって思われちゃったかな・・・
ふいに見上げたらくれた『なに？』って優しい目線に胸が高鳴って慌てて目をそらす。
足並み揃えて歩いているはずなのに
簡単に肩が触れてしまうこの距離がどうしようもなくくすぐったくて気がついたら下ばかり見ながら歩いてる。
下駄の音がおそろいにカランと重なるのさえ恥ずかしくてそんな音にギュッと目を閉じた。
人並みにもまれて
思わず濃紺の浴衣の背中をトコトコ追いかける感じになっちゃって、
その度翔くんは『歩くの、早い？』って何度も振りかえって立ち止まってくれた。
笑顔が柔らかいのに
そんな風に真剣に見つめるから言葉が喉から上手出て来ないから必死に首を横に降ることがせいいっぱいだよ。
その見つめ方…、癖なのかな
『はぐれるよ』って笑う細めた目が提灯の灯りに照らされて、あんまり綺麗にゆらゆら揺れるから苦しい帯の胸で一生懸命息をしながら歩いた。
ヒマワリをギュッと握りしめて
巾着がからかうようにプランと揺れる。
翔「Aちゃん…こっち」
櫻井さんは５回目に振り向いた時、
『はぐれるから…さ、』って組んでいた腕をほどいて戸惑いがちに手を差し出した。
無理矢理探された私の手は包まれた彼の手の中で動けなくて
りんご飴みたいにみるみる赤くなってく顔が熱い。
なのに、
男の人の大きな手で包まれた私の手は
ビックリするほど冷たくなって
ビックリするほど胸が痛い。
私の手をギュッと握った翔くんは
もう振り向く事はしなくなった。
そっと覗き見した後ろから見た彼の耳はちょっとだけ赤くて
ギュッと捕まえられた手はぎこちない。
ドン…
…ﾊﾟﾗﾊﾟﾗ
夢中で追いかける視線の先の黒い帯の背中で
待ちきれず打ち上げられた花火の音を聞いた。
合わせるように打ちつける鼓動が苦しいから
行き先が分からなくなくなって下駄の足がふらふらと力を失って行く。
夜空に咲く金色の華に胸が焦がれる。
。
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ラミア - 新月さん» もう感激ですよ！ 更新が待ち遠しい！！ 私が求めていたのはこれです！ (2014年9月3日 15時) (
レス) id: 8cf028f9b6 (このIDを非表示/違反報告)
新月(プロフ) - ラミアさん» ラミアさんこんばんは*^^*ものすごく面白いだなんて///ものすごく嬉しいです♪そう言って頂けると更新が進みそう(>_<)パー３まで更新していますので、またお話しましょう･.*｡ﾟお読み頂きありがとうございます♪ (2014年9月2日 21時) (レス) id: 5fae936ad0 (このIDを非表示/違反報告)
ラミア - 新月さん» ものすごく面白いです！ コメ友達お願いします！ (2014年9月2日 20時) (レス) id: 8cf028f9b6 (このIDを非表示/違反報告)
*。櫻宮ハル。*(プロフ) - 新月さん» 新月さん*+. つい何日か前にやっと更新出来た小説…hit数がぐんと増えて、読者さんがこんなにも居るのか、と驚かせられました.笑 もういっその事…問題集の問題が小説作り、ならいいのに…* なんて思ってしまいました.笑 (2014年8月9日 17時) (レス) id: 61ed3b0451 (このIDを非表示/違反報告)
新月(プロフ) - *。櫻宮ハル。*さん» *｡櫻宮ハル｡*ちゃーん(*ノ▽ノ)塾やお勉強に忙しい中、小説まで書いているなんてスゴいなぁ･･･書く事はどんな問題集よりハルちゃんを形作ってくれる物だと私は思っているよ。沢山の素敵な小説に出会ってハルちゃんの世界が広がりますように･･･ (2014年8月9日 13時) (レス) id: 5fae936ad0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：新月
| 作者ホームページ：ttp://http://uranai.nosv.org/u.php/novel/0527001/
作成日時：2014年7月8日 21時
