検索窓
今日:15 hit、昨日:1 hit、合計:65,922 hit

51話 ページ3

鬼道の提案で鬼道家にお邪魔することになった二人。

何度も来たことがあるAとは反対に、円堂は初めてくる豪邸を歩き回っていた。

落ち着きのない円堂は、何かを見つけたようだ。



「スッゲー古いサッカー雑誌だな」


「まあな」



鬼道が円堂から受け取ったのは"月刊SOCCER MAG"という雑誌。

鬼道はおもむろに俺が何でサッカーを始めたか知っているかと聞く。

円堂はもちろん、Aも知らなかった。



「俺の両親…飛行機事故で死んだんだ」



驚きの声を上げる円堂、そしてAは自分の両親を思い出した。

家族写真もなく、両親の記憶もほとんどない。

そんな彼と両親を繋ぐのに残っていたのがサッカーだったそうだ。



「最初はそうだったのさ。だが、周りは勝つことだけを求めてきた。サッカーは勝たなきゃいけないものになってしまったんだ…だから、影山が神様に思えた。あんな奴がだ…」



そう言う鬼道の顔も、またその話を聞く二人の顔も辛そうであった。



「お前も同じだったんだな」



俺も今は亡きじいちゃんの特訓ノートを見てサッカーを始めたんだ、お前と同じだろ?と優しく言う円堂。

Aは何でサッカーのマネージャーになったんだ?と円堂に話を振られたものの、秘密と言って教えなかった。

円堂は何だよーと笑っていたが、鬼道はどこか浮かない顔をしていた。


次の日、部室で全国大会二回戦に向けて作戦会議をする雷門。



「みんな!全国大会二回戦の相手は千羽山中だ!」


「千羽山中は大自然に鍛えられた選手たちがいます。彼らは"無限の壁"と呼ばれる鉄壁のディフェンスを誇っています…今だかつて得点を許していません」


「全国大会まで!?」


「ええ。1点たりとも」



驚く秋に答えた春奈、それを聞いたみんなも驚きの声をあげた。



「わかった!その無限の壁とかいう鉄壁のディフェンスを破ればいいんだな!」



だが円堂はどこまでも円堂。

鉄の壁にダイアモンドの攻めをすればいい!と言い張っている。

そのためには特訓だと叫ぶ円堂を見た部員たちは、半ば呆れた声で返事をしていた。


そして練習が始まるが、なんだかみんなの息があっていない。

ドラゴントルネードも上手くいかず、味方間でのパスも通らないのだ。

円堂が励ますが豪炎寺の顔は晴れない。



『一旦休憩しよー!』



夏未がレモンの蜂蜜漬けを作ってくれたので休憩の声をかける。

みんなは嬉しそうに蜂蜜漬けを食べると、元気よく練習に戻って行った。

52話→←50話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (59 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
90人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆなん(プロフ) - さくさん» えー!ありがとうございます嬉しいです( ; ; )毎日更新できるように頑張りますので、よければお付き合いください〜! (2020年7月14日 17時) (レス) id: 23ce9c4a3d (このIDを非表示/違反報告)
さく - めちゃめちゃ好みのお話で一気読みしてしまいました…更新楽しみにしてます頑張ってください、! (2020年7月14日 17時) (レス) id: 8d7bf43e89 (このIDを非表示/違反報告)
ゆなん(プロフ) - 緑谷出久さん» コメントありがとうございます!源田くんまったく絡ませられてないですね…色んな人とフラグ立つように頑張ります〜! (2020年7月7日 7時) (レス) id: 23ce9c4a3d (このIDを非表示/違反報告)
緑谷出久 - できればでいいんですけど、落ちは、源田幸次郎君がいいです。 (2020年7月6日 22時) (レス) id: 08b72a76d2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ゆなん | 作成日時:2020年7月1日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。