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葵side









「..お前、なんで合コンなんか参加したんだ?」









帰り道、トシにそう聞かれ合コンに行くことになった経緯を話すと









「ったく...そういうことかよ。アイツらお前をいいように利用してよ、..」









呆れるようにしてため息をつくトシ。そしてふと私は先程のことを思いだし、トシに









「あのさ..、トシ。」









「...もし私がさ、ああいう女の子達みたいに可愛い服着たり...とか、メイクとかしたりしたら..どう思う、っていうかその...」









たどたどしくそういう私に彼は目線を向け、一瞬黙ったかと思えば口を開いて









「..お前はお前のままでいい、変に着飾るな。それに俺はアイツらみたいなケバい女は嫌いだ、」









「そっか...そうだよね、」









彼は私のために気遣って言ってるのかもしれないが、その言葉が私の自由を奪う









本当は可愛い服を着たい、メイクをしたい...ちゃんとした『女の子』になりたい









彼の言葉に縛られる必要はない。それなのに心のどこかでは彼に嫌われたくない自分がいて、彼が私に変わってほしくないと望むならそれに従わなければいけないという気になる









気づけばもう自宅の前まで来ていて、









「じゃあな、葵。」









「...うん、送ってくれてありがとね。」









去っていく彼の後ろ姿を見つめながら









私はまだ彼を想うこの気持ちからは抜け出せていない









そして彼を忘れない限り、私は本当のなりたい『私』にはなれないのだと知った

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なゆ(プロフ) - めっちゃ面白い!更新頑張ってください!! (2019年8月26日 12時) (レス) id: af64f6a838 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シオン | 作成日時:2019年8月10日 23時

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