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神楽に連れられ散々屋台を見て回ったが、神楽はまだ満足しないようで
「私、次アレ食べたいネ!」
「葵、次こっちアル!」
...終いに足も疲れてついていけなくなり、
「神楽、私ここのベンチで休んでるから..行っていいよ、」
そういって神楽を一人送り出す。ベンチに座りながらぼーっとしてると、
「..お姉さん、1人?それとも彼氏待ち?」
これはもしかしてナンパとかいう...そんなことを思いながら、声のした方を向くと
「あ、...なんだ、坂田か。」
「なんだ、じゃねーよ。反応薄いなお前..んで何してんのお前、?土方は?」
「...、」
坂田にこれまでの経緯を話すと、坂田は私をバカにするかのようにして笑いながら
「え、なに。お前の勘違いだった訳?痛ェ女だな、それ」
「うるさいな...それで、?坂田は何してんの。」
「俺?..俺はダチが屋台やるってんでその手伝い、...まァ金儲けみたいな?......そうだ、お前ちょっとここで待ってろ__」
そういって坂田は急にどこかへと行く。そして数分後、戻ってきたかと思うと
「これ、やるよ。哀れな葵チャンに、」
坂田は軽く笑いながら赤くてつやのあるりんごあめを私に差し出す。...まるで落ち込んでいる私に『元気出せ』とでも言うかのように
「はいはい、..有り難く受け取っときますよ」
私は坂田からそれを受け取り、ぺろっと軽く舐める。そのりんごあめはなんだかいつも食べるものよりも、甘く感じた
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なゆ(プロフ) - めっちゃ面白い!更新頑張ってください!! (2019年8月26日 12時) (レス) id: af64f6a838 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シオン | 作成日時:2019年8月10日 23時