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【回想】梓side
ストレス発散さえできれば誰でも良かった
「いってぇ...何しやがる!」
同年代くらいの不良に絡み、喧嘩をするのが私の日課。喧嘩なら男にだって負けない自信があった
「コイツ強ェ、...お前ら!逃げるぞ!」
案の定、相手は尻尾を巻いて逃げていく。私はそんな奴らの背中を見ながら、懐からタバコを取り出す。そしてくわえようとすると
「お前、未成年だろ。やめとけ、」
大きな手が私からタバコをケースごと取り、そしてそれをくわえて火をつける男
「なっ..!なに勝手に__」
「いいだろ、お前にこれは必要ねェんだし。...それで、お前か。最近この辺で暴れまわってる不良は、」
「そうだけど。何か問題でもある?」
強気な返答をすると、彼はため息をついて私と目線を合わせるためかがみこむ
「...ところでお前、女か?」
「は?ち、ちがう...男だし」
不意に彼から目を反らす。この頃の私は前髪を長くして相手から顔が見えないようにし、そして髪も短くし男装を...というのも女だと相手にされないと思い喧嘩するときはわざと装った
すると彼は私の前髪をかきあげ、
「それにしては綺麗なツラしてんじゃねぇか、..いい目してんなお前。」
ばっちり彼と目が合い、そしてフッと微笑んだ彼に心が揺れた
「..何があってこんな暴れてんのか知らねーが、こんなことしたって何も変わらねェぞ。俺もお前みたいな時期はあったが、..護るもんがねェ戦いは無意味だ。」
そういって彼は立ち上がり、
「侍の国で生きてくならな、それくらい知っとけ。...それとお前にはもっと似合う格好があんだろ、お嬢さん」
そのまま去っていく彼の後ろ姿を私はずっと見つめていた
「(髪、染めんのやめよ...あとピアスとタトゥーも)」
彼が先程吸ったタバコの匂いがかすかに鼻につく
「(それと、..タバコも__)」
これが彼との初めての出逢いだった
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aoo - 面白かったです。私も小説投稿してるから参考にしよーっと。完結お疲れ様でした。 (2020年3月1日 14時) (レス) id: f91ea9aee4 (このIDを非表示/違反報告)
巴 - もどかしいと言うかストイックと言うか、そんな所が土方さんらしいですね。 (2019年7月21日 23時) (レス) id: 5637175f26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シオン | 作成日時:2019年6月8日 22時