純白の空と純黒の大空２ (ページ44)

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第81話ページ44

主)「ね～え～ツナ様～構ってよ」

しつこくまとわりつくように【影】はツナの周りをうろちょろしていた。

そんな美優の様子にツナは完全に無視を決め込み羽化しだしそうなレオンを眺めた、
“一応”は10代目空沢田美優が来たが変化は無しと見れた。

レオンは何を必要として羽化するのか全く見当もつかない、結局羽化失敗かとツナははぁーっとため息を漏らすと骸に視線を向ける。

骸)「沢田綱吉あれはなんですか？」

ツナ)「知るか」

ツナは少し八つ当たり気味に骸に言うと不貞腐れたかのように表情を歪め、またため息を吐く。

ツナ)「本当にお前って役立たずだよね」

ツナは射るように【影】に鋭い視線を向けると、【影】はピタッと動きを止め、眉間にありったけのシワを寄せてから

主)「それはあっちの事でしょ！ “ 影 ”は違う！何もできないやつじゃないもん」

プンプンと効果音がつきそうな態度で【影】はその場の床を苛立たしげに蹴ると骸がぐっと眉をひそめる。

骸)「また貴女ですかそれやめてくれませんかねここは僕の“基地”なんですよ？」

そんな骸に笑顔だけの返事を送るとその場に音を立て座り込み羽化しそうなレオンを腹立たしげに見つめる。

主)「レオンクン早く出せよツナ様が困ってるんじゃん」

【影】は一瞬声を地にはいつくような低い声を出し片手に持っていた短刀をレオンに投げつける。

投げられた短刀はレオンを真っ二つに切り裂きレオンは地へと音を立てて落下する。

【影】は切り裂かれたレオンを興味無さげに見つめてすぐ中に光り輝く何かを見つめる。

中に浮くものは少しずつ輝きを弱めツナと【影】の元へと落ちて行く。

【影】の手の上に乗っているものは折りたたみ式の少し変わった傘だった。

折りたたみ式の傘はどこか和風といった感じで、持ち手が丸く先に鈴が付いていた。

主)「・・・使えない」

【影】はグッと眉間にしわを寄せるとポイッとレオンから出された傘を投げ捨てる。

ツナの手元も見れば手袋があり体を合体させるレオンをゴミを見るような目で見つめる。

主)「期待させといて結局コレか」

【影】ははぁーっと長い息を吐くと懐から銃を取り出し、

主)「あぁ見守ってよって思ってたけどツナ様が不利な状態だしやーめよ」

銃口を骸へと向けると不気味な笑みを浮かべながら引き金を引いた。