純白の空と純黒の大空２ (ページ41)

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第78話ページ41

メディール)「可哀想にもう武器は無くなっちゃったわよ」

メディールはあざ笑うかのようにそう言うと隙を見せた【影】を蹴り飛ばし、【影】を壁に追いやってからじりじりと痛みで動かない【影】に近づく。

メディール)「ふふもうゲームオーバー？貴女つくづく思うのだけど無謀なことをして何が面白いのかしら？

あの跳ね馬ディーノのペットとの戦いの時も武器を捨てたわよね？

今だって敵の地に行くと言うのに武器すら持ち歩かないとは」

主)「私は骸クンとは戦わないつもりだからね」

【影】はグッタリと壁に背を預けると向かって来るメディールを見つめる。

メディールはその言葉にハッと吐き出すように笑い【影】に向け左手に持っていた短刀を投げる、

その投げられた短刀は【影】の左胸を擦り【影】バッとシャツの下に手を入れ下着越しに傷口を抑える。

主)「いっつぅう」

【影】は痛みで顔をしかめるともう片手でポケットからハンカチを取り出し傷口に押さえつける。

メディール)「やっぱり影もその体の持ち主と同じなのね呆れたわ

さようなら貴女と殺り会うのも丁度飽きた頃だし」

そう言ってメディールはグッタリとして動かない【影】にまたがると片手に短刀を握り腕を高く上げる。

その時、けたたましい銃声が2人だけの空間に響き渡った。
メディールは目を見開きフッと【影】を見つめると【影】は怪しくニヤッと笑い右手には自分のシャツ越しに一丁の拳銃が握られていた。

メディールは目を見開かせたまま自分の腹部に手を当てると暖かな液体が腹部から溢れ出てきた。

メディール)「貴女ずるいわよ」

メディールはガタッと体勢を崩すと地面に倒れ込み【影】を鋭い視線で睨みつける。

主)「ずるい？何が？
私はただ“骸クンとは戦わない”っていただけじゃない勝手に勘違いして油断してくれたのは君の方だよ？」

【影】は先ほどまでグタリとさせていた体をサッと起こしメディールの前でしゃがみ込みメディールを打った拳銃でメディールの頬をパチパチと叩く。

主)「さて形勢逆転だよどうしようっかメディールさん」

【影】は下唇をペロリと舐め地面に這いつくばるメディールを見下ろす。

メディールは奥歯を強く噛み締め拳を作り地面を握る。

主)「じゃっさっき言ってた“任務”って言うの押してもらおうかな？」

そんな【影】とメディールの間に一発の銃弾が通り過ぎた。