純白の空と純黒の大空２ (ページ15)

今日:9 hit、昨日:1 hit、合計:20,403 hit

第55話ページ15

京子)「もしかして山本君って美優ちゃんの事好きだったりするの？」

山本)「そうかもなオレ美優の事好きかも」

カバンを置き忘れたことに気づいた美優はまた、教室に引き返しドアに手をかければ

主)「(うっそーん⁉)」

思わず心の中で叫んでしまいそうなお話がこの一枚の扉の向こうで話されていた。

美優は足をとを立てないようゆっくりと後ずさりをするとトンッと肩を何かにぶつけてしまう

いや “何かに”じゃなくて“誰か”だった。

？)「よくも置いてったね」

その“誰か”は、会いたくない人第1位に登る人物、

そんな方が私の背後に立ち後ろからそっと肩に触れ滑るように首元を綺麗な指がつたい頬にたどり着けば撫でるように包み込み

耳元で““““悪魔””””が世にも恐ろしい声色で囁く

主)「ぁあぇっとその」

その声の持ち主は言うまでもなくやはりツナさんで恐々と振り返れば、恐ろしいほどの笑みでこれでもかと殺気に似たオーラを漂わせている

背中に冷や汗が流れるとごくんっと思わず息を呑み口を開こうとすれば、

山本)「おそー言えばオレ頼まれごとがあったんだったそんじゃまたな」

と教室の方からそんな呑気な山本君の声がすると先ほどかいた汗はまた、とめどなく出てきて、

思わず近くにいたツナさんの手を取り、引きずるようにして走ってあまり使われていない近くの教室へと駆け込む

隠れるようにしてしゃがめばすぐに上がってしまった息を整え、いっかい冷えた頭で考え直す

主)「(あれ？私なんで逃げたんだろ)」

教室に隠れた後私は、フッと疑問に思う
隣を見ればキョトンと珍しくとぼけた顔をして私を見つめるツナさんがいた

ツナ)「・・・・・」

ツナさんは何も言わずただ、私の事を見つめ続ける私も私で今のツナさんの表情が物珍しくついつい見つめ返してしまう

「性格は最悪だけど顔はすっごくかっこいいって言うか綺麗だよな」

なんていつもの私なら絶対思っていただろうな

だけど、その時は違った相手の息遣いも握りしめられた手のひらからの体温、、、それだけを思い

私達は見つめたまま、何もかも、時間すらも忘れてただ相手を見つめあっていた。

未だに繋がれた右手をギュッと握りしめながら、、