小指***土方十四郎 ページ6
「土方さん。約束をしてください。
わっちは.......いえ。Aはずっと貴方を愛してます。
それだけは忘れないでください。
そして、絶対に幸せになってください。」
彼に背を向けて、机の引き出しからあるものを取り出す。
真っ白の紙。何一つ、汚れのない。
それを床に広げる。
「刀を貸してください。」
刀を借りて、自分の右人差し指に切込みを入れる。
血が溢れ出す。
痛い。けど、心の痛みに比べれば、痛くない。
白い紙に、私の本名を書く。
「十四郎さん、実は、私の名前.......」
私の名字は、珍しいとよく言われた。故郷の村では私の家だけだった。
紙に丁寧に、鮮やかな赤で名前を書いた後私は席を立った!
血が乾くのはまだ先だろう。
土方さんは呆気に取られていた。それもそうだろうな。
先程机の中から髪と同時に取り出した木箱。
姉様の遺品だ。勝手に貰った。
姉様はよく言っていた。
私はこの中に_____を入れてあの御方に渡すの。それで運命を分かち合うのよ。
と。
姉様の_____はちゃんと遺体にあったからその願いは叶わなかった。姉様。私と土方さんの運命を分かち合うためにこれをくださいな。
水の出る場所へ行き、思いっきり、左小指を切り落とす。
血が、留めなくながれる。桶に溜めていた水に小指を入れて血を抜く。
4本指となった左手に手ぬぐいを当てる。
血を完全に取れたら木箱の中に入れる。
小指が痛い。涙が出そう。もう流れてるか。
部屋に戻り驚いている土方に微笑みながら先程の紙を織る。
木箱に入るほどの大きさになったら中にそっと入れて渡す。
「十四郎さん。これは私の気持ちです。」
その夜、土方さんと私は涙ながらに別れた。
結局、彼が私を抱くことは1度もなかった。
彼が私に残したのは、淡い恋心と左手に巻き付く制服のスカーフだった。
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あばば - 憧れのサディストさん» わかりました!ゆっくりでいいので頑張ってください! (2019年4月15日 1時) (携帯から) (レス) id: 45edbcdfad (このIDを非表示/違反報告)
憧れのサディスト(プロフ) - あばばさん» 沖神は書いたことがないのでもしかしたらご期待通りのものにならないかもしれませんが1度下書きしてみますね!少しの間、お待ちください (2019年4月13日 23時) (レス) id: a72c52539b (このIDを非表示/違反報告)
あばば - 憧れのサディストさん» 返信ありがとうございます!はい!沖田と神楽の話(カップリング)です!(沖田と神楽のいちゃいちゃみたいなw)リクエストの内容は神楽が沖田の目の前で敵に怪我をさせられてしまいそれに対し沖田がキレて…みたいな話を書いて欲しいです!いけますかね? (2019年4月11日 0時) (携帯から) (レス) id: 45edbcdfad (このIDを非表示/違反報告)
憧れのサディスト(プロフ) - あばばさん» コメントして頂き、ありがとうございます!文才など生憎持ち合わせていないとは思いますがそう言っていただけるだけでとても嬉しいです。リクエストはもちろん、OKです!ちなみにそれは沖田くんと神楽のでよろしいでしょうか? (2019年4月10日 21時) (レス) id: a72c52539b (このIDを非表示/違反報告)
あばば - とても文才があって羨ましいなと思います。その…リクエスト受け付けてますか?受け付けてるなら夢主さんが出てこない沖×神のCP系の話をかいて欲しいんですが…(詳しくは作者様の返信が来たら話します) (2019年4月8日 2時) (携帯から) (レス) id: 45edbcdfad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:憧れのサディスト | 作成日時:2019年4月6日 20時