《7/1完結》F-to-L 4【N.K】 (ページ17)

今日:4 hit、昨日:13 hit、合計:23,260 hit

107 ページ17

　
　
　
何なんだろ、この幸せな時間…。

この時期に密着するのはただただ暑いだけなのに。
ずっと離れていたくないって、そう思っちゃう。

…………。

「ん？どした？」

離れようとした先生のシャツの裾を思わず掴んでた私。

…無意識だった。

「あ、ゴメン……」気付いてパッと離したけど、あまりの気恥ずかしさにショボン…となる。

「フッ！見かけによらず可愛いとこあんじゃん」
「っさい！」
「え？今の喜ぶとこじゃね？」
「見かけによらずってのが、余計なの！」
「…んなこと言いながら、顔真っ赤だけどね」
「うそ、、」
「うん。嘘」

何よ、何よ！
自分ばっかり余裕でなんなの…！

「ふんっ！和也のバカッ！、」

悔しくて吐き捨てた言葉に
先生はハッ！て顔をして俯いて、片手で顔を覆った。

…子供っぽいとか思って笑ってるんでしょ、どーせ。

お前の方がバカだろって。

「はああぁ…あぁ……ったく！」

かと思えばグシャッと髪を掻きむしって顔を上げた先生。

「な、なに…」
「いきなり名前で呼ぶの辞めてくれる？」

はぁ？

「Aに"和也"って呼ばれんのまだ免疫ねぇんだってば」

…は？…え？

「何、そのキョトン顔。え？無意識？」

うわ、天然小悪魔だー！とか言って、悔しがる素振りを見せながら、無造作に乱れた髪からのぞく耳がほんのりと赤く染まっている。

……あ、そっか。そーゆうことね。

それを見て心の中でクス…と小さく笑いが出た。

普段バカバカ言われて、おまけに口も悪くて。一度も上手なんて取ったことなかったのに。

「和也」
「…あぁん？」

そんな不機嫌そうに返事されても
耳は赤いからね。せんせ。

「熱でもある？」
「いや、ねぇけど…」
「耳、赤いよ？」
「嘘つけ」
「ふふ。嘘じゃないよ。」

照れを隠しきれてない先生に
この時ばかりは勝てたような気がした。