《7/1完結》F-to-L 4【N.K】 (ページ16)

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う、うそ…………。

ダラン、と力が抜けて、その場にへたり込む。

「だからさ、んな心配すんな」
「……」

その前にスー…と影がかかって
先生もしゃがんだのがわかった。

「アイツ、変に頭いいからさ。勉強が出来るだけじゃなくて、人の心も読み取っちゃうの。ホント厄介な兄貴だよ、ったく。」

「オレの気持ち気づいた時もさ、あんなバカのどこがいいんだよ？って笑いながら言ってたんだよ、アイツ。」

フッ…て小さく笑みを零しながら、私の髪をふわ…と撫でる。

小さい手が心地いい。

「悔しくない？だからオレ言ってやったんだよ。"お前にとっちゃバカな妹かもしんねぇけど、オレにとっちゃ好きで好きで仕方ねぇやつなんだよ"って」

その手が私の顎を掴んでクッと持ち上げる。

まんまるい、先生の茶色の目は

引き寄せられるように甘く、美しい。

キュッと、上がった口元は

優しく微笑んでいるように見える。

「Aは、なーんも心配しなくていいからさ。」

「ずっと、オレのこと好きでいてよ」

「……ね？」

上がってた口元がさらに上がって

……また、私の中の"好き"が一つ増えた。

返事の代わりにコクン、と頷くと
「ふふ。素直な子。」って先生の腕
が包むように私を抱きしめた。